EU仮想通貨規制「MiCA」見直し協議へ|世界初の包括規制が次フェーズに

EU仮想通貨規制「MiCA」見直し協議へ|世界初の包括規制が次フェーズに

この記事の要点

  • 欧州委員会がMiCA運用見直し協議を開始、8月末まで意見募集
  • 米国の仮想通貨規制整備が進むなか、EUも制度再検証へ
目次

欧州委、MiCA運用2年で再点検協議へ

欧州委員会は2026年5月20日、EU(欧州連合)の仮想通貨規制の枠組みである「MiCA規制」について、制度の運用状況を見直すための協議を開始し、利害関係者および一般市民から意見募集を行うと発表しました。

施行から約2年が経過したMiCAを巡っては、仮想通貨市場の拡大やステーブルコイン分野の変化、各国の規制整備が進むなか、欧州委員会が現行制度の適用範囲や規制要件の妥当性について再点検を進める方針を示しています。

意見募集は2026年8月31日まで実施され、寄せられた内容はEUのデジタル資産政策やMiCA改定の検討材料として活用される予定です。

欧州委員会はあわせて、国際的な規制競争や市場構造の変化も踏まえながら、EUの仮想通貨(暗号資産)規制枠組みの更新必要性について精査を進めるとしています。

MiCA見直し協議、業界と市民で内容差

EU市民向けと業界向け、協議の対象範囲

今回の協議は、一般市民向けの「公的協議」と業界関係者向けの「ターゲテッド協議」に分けて実施されており、対象ごとに質問内容や扱う論点も分けられています。

区分 対象者 論点
公的協議 EU市民(個人) デジタル資産・関連サービスの利用経験や認識を広く把握
ターゲテッド協議 仮想通貨の発行者・サービス提供者、金融機関、技術提供者、
学術機関、シンクタンク、業界団体、消費者団体、EU公的機関
MiCAの主要構成要素に関する技術的・法的論点を詳細に質問

公的協議では、デジタル資産や関連サービスに対する一般的な認識や利用経験、消費者視点での課題などについて幅広く意見を募っています。

これに対し、ターゲテッド協議では、MiCAの制度運用や規制適用を巡る法的・技術的論点について、業界関係者向けに詳細な質問項目が設定されています。

MiCAの規制対象と再点検される運用論点

MiCAは2024年に運用が始まった世界初の包括的な仮想通貨規制として位置付けられており、EU域内の暗号資産事業者を統一的に監督する枠組みとして導入されました。

規制対象はステーブルコインを含む仮想通貨・資産参照型トークン・電子マネートークンと、これらの発行者および暗号資産サービスプロバイダー(CASP)に及びます。

今回の見直し協議では、トークン分類や規制対象の範囲、暗号資産サービスプロバイダーに求められる要件などについて、市場実態に即した制度運用となっているかが検証されています。

寄せられた意見は、欧州委員会による今後のデジタル資産政策やMiCA改定検討の基礎資料として利用される予定です。

米国規制整備に並走、EUもMiCA再検証

MiCA見直しの背景には、米国を中心としたデジタル資産政策の変化があります。

米国ではトランプ政権下で仮想通貨産業を支援する姿勢が強まっており、2025年7月にはステーブルコイン規制法「GENIUS(ジーニアス)法」が成立しました。

加えて、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」も2026年5月14日に上院銀行委員会を15対9で通過し、本会議採決に向けた調整が行われています。

米国でデジタル資産規制の整備が進むなか、EUでも施行済みのMiCAを見直す動きが本格化しており、欧州委員会による意見募集は8月31日まで続けられています。

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Source:欧州委員会公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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