この記事の要点
- World財団がWLD売却で86億円を調達、パンテラ主導
- Zoomなど大手企業への導入拡大に加え、WLD現物ETF申請も進展
まずはワールドコイン(WLD)を詳しく
86億円調達でWorld ID普及を加速
World Foundation(ワールド財団)は2026年7月23日、戦略投資家向けのワールドコイン(WLD)売却を通じて、初回分として5,250万ドル(約86億円)を調達したと発表しました。
同財団は調達資金を活用し、消費者向けサービスや企業向けデジタルサービス、AIエージェントの分野で本人証明技術「World ID」の導入拡大を進める方針です。
今回の初回クローズ(第1回の払い込み)はPantera Capital(パンテラ・キャピタル)が主導し、Bain Capital Crypto(ベイン・キャピタル・クリプト)などの投資会社が参加しました。
売却したWLDにはすべて12ヶ月間のロックアップ(転売制限期間)が設定されており、投資家の長期的なコミットメントを反映する設計が採用されています。
World_Appが「スーパーアプリ」に
Zoom含む大手が採用、World ID急拡大
ディープフェイク対策で企業採用が加速
World IDは、生体認証デバイス「Orb(オーブ)」による1回限りの認証を通じて利用者のスマートフォンへIDを発行し、プライバシーを守りながら人間であることを証明できる仕組みとWorldは説明しています。
2026年に入ってこの仕組みは、ビデオ会議のZoom(ズーム)や電子署名のDocusign(ドキュサイン)といった企業向けサービスとの統合が進んでいると同財団は紹介しました。
採用先には認証基盤のOkta(オクタ)やマッチングアプリのTinder(ティンダー)も含まれ、AIエージェントやディープフェイクへの対策を背景に、消費者向けサービスへの導入も広がっています。
3,900万人が参加、Orb認証1,800万人超
同財団の発表によると、これまでに3,900万人以上がWorld Networkに参加し、うち1,800万人以上がOrbによる認証を完了しています。
ネットワーク上で実行されたWorld IDの証明処理も、稼働開始以降の累計で4億7,500万回を超えたと同財団は明らかにしました。
発表翌日の2026年7月24日はWorldの本番稼働から3周年にあたり、同財団はネットワーク構築の段階を経て、実用性の拡大へ重点を移す局面に入ったとしています。
初回クローズを主導したパンテラ・キャピタルのコスモ・ジアン氏も「AI開発の加速で人間であることの証明の必要性が明確になっている。企業からの引き合いの増加にもそれが表れている」と述べています。
World ID 4.0、大規模企業統合に対応
企業導入の拡大を支える技術面では、2026年4月に公開されたプロトコルの新版「World ID 4.0」が大規模な企業統合にも耐えるエンタープライズ(大企業向け)仕様として設計されたと同財団は説明しました。
新版では、独立した開発者がゼロ知識証明(内容を明かさずに正しさを証明する暗号技術)を使った資格情報を構築し、World IDの基盤内に格納できる仕組みも導入されたといいます。
参加投資家である米Eightco Holdings(エイトコ・ホールディングス)取締役のトム・リー氏は「Worldの技術と人間であることの証明は、デジタル化が進む世界で安全なやり取りを確保するための最も重要な構成要素の一つだ」と評価しています。
大口調達が継続、WLD現物ETF申請も
Worldをめぐっては2025年5月にも、財団傘下のWorld Assets(ワールド・アセッツ)がa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)などへのWLD売却で1億3,500万ドル(約220億円)を調達しており、大口投資家の関与が続いています。
こうした資金面の動きと並行して、米資産運用大手のGrayscale(グレースケール)は2026年7月20日、WLDを直接保有するETF(上場投資信託)のS-1登録届出書を米証券取引委員会(SEC)へ提出しました。
届出書によると、同ETFはティッカー(銘柄コード)「GWLD」で米ナスダック市場への上場を目指し、投資家がトークンを直接保有せずにWLDへ投資できる設計とされています。
今後は、World ID 4.0を通じた企業統合の広がりに加え、SECによるスポットETF「GWLD」の審査の行方にも市場の関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=163.84 円)
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Source:World Foundation公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

























