World Chainに「ネイティブUSDC・CCTP V2」が登場
米ドル連動ステーブルコイン「USDC」を発行していることで知られるCircle(サークル)は2025年6月11日に、ワールドコイン(Worldcoin/WLD)の基盤ブロックチェーンであるWorld Chain上で「ネイティブUSDC」とクロスチェーン転送プロトコル「CCTP V2」をローンチしたことを発表しました。
World(旧:Worldcoin)は、ChatGPTを作ったOpenAIの創業者サム・アルトマン氏が支援する仮想通貨プロジェクトであり、「Orb」と呼ばれる虹彩認証装置で”人間であること”を証明した人に「World ID」と呼ばれる分散型IDを発行したり、World ID保有者に仮想通貨WLDを付与する取り組みなどを行なっています。
Worldでは、イーサリアム基盤の独自レイヤー2ブロックチェーンである「World Chain」や、多機能ウォレットアプリである「World App」なども展開されていますが、今回は代表的な「USDCのネイティブ版」と「CCTP V2」がWorld Chain上でリリースされています。
Native @USDC is now live on @world_chain_!
With native USDC, World Chain developers and users gain trust, stability, and global access from the world’s largest regulated stablecoin.
Frictionless access to crosschain liquidity is also now made possible with CCTP V2.
Key… pic.twitter.com/JMUYjMsjF8
— Circle (@circle) June 11, 2025
ネイティブUSDCが「World Chain」で利用可能になりました!
ネイティブUSDCの登場によって、World Chainの開発者とユーザーは世界最大の規制対象ステーブルコインから信頼性・安定性・グローバルなアクセスを獲得できるようになります。
CCTP V2により、クロスチェーン流動性へのスムーズなアクセスも可能になりました。
USDCをブリッジ版からネイティブ版にアップグレード
World Chain上では以前からUSDCが利用可能でしたが、これまでに利用されていたのは「ブリッジ版USDC」であるため、今回は「ブリッジ版USDC」から「ネイティブ版USDC」へのアップグレードが実施されています。
「ブリッジ版USDC」とは他のブロックチェーンから転送される形で発行されるUSDCのことであり、「ネイティブ版USDC」はサークル社が特定のブロックチェーン上で公式発行しているUSDCのことを指します。
ネイティブUSDC(USDC)は米ドルと1対1の割合で引き換えることが可能で、クロスチェーン転送プロトコル(CCTP)を利用すれば異なるブロックチェーン間でUSDCをネイティブに転送することが可能になります。
なお、今回のアップグレードでは従来のブリッジ版USDCが同一アドレスでネイティブ版USDCに変換されているため、開発者やユーザーは追加の対応を行う必要がないとも説明されています。
ネイティブUSDC・CCTP V2の主なメリット
World Chain上で利用可能になった「ネイティブUSDC」と「CCTP V2」の主なメリットとしては以下のようなものが挙げられています。
- スムーズなアップグレード
既存のブリッジ版USDCはコントラクトアドレスを変更せずにネイティブUSDCへと移行されたため、すでに行われている統合や実装には一切の変更が不要。 - 法的に裏付けられた信頼性と入出金手段
ネイティブUSDCは規制準拠のステーブルコインであり、「Circle Mint」を通じて1:1で米ドルと交換可能。信頼性とスケーラビリティを兼ね備えた基盤として、取引・決済・金融サービスに活用できる。 - CCTP V2によるクロスチェーン互換性
CCTP V2(Cross-Chain Transfer Protocol V2)により、対応するブロックチェーン間でUSDCを高速かつ安全に転送可能。さらに、転送後のアクションをHooksを使って自動化できる。 - Mini Appとの統合サポート
開発者は、信頼性の高いデジタル・ドル(USDC)を活用して、個人間決済・貯蓄・eコマースなどのミニアプリを構築できる。
また、Worldの公式発表では「ネイティブUSDCは高流動性の現金と現金同等物で100%裏付けられているため、今回の自動アップグレードによって、World Chain上のUSDCはグローバルに信頼されている規制されたデジタルドルになった」ということが説明されています。
World Appでは既にUSDCを活用した複数のミニアプリがリリースされており、中には100%超えのAPY(年間利回り)を提供するミニアプリも存在しています。
World Chainでは、World IDを持つ人間ユーザーのトランザクション処理を優先的に受け入れ、一部のガス代を無料で利用できる仕組みも導入されているため、World Chain上でネイティブUSDCとCCTP V2が利用可能になったことによって、USDCの活用機会が大幅に広がることになると期待されます。
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source:Circle公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用



























