この記事の要点
- ロシア初、MOEXがBTCなど3銘柄の現物市場を12月開設
- 新法に基づく規制下で一般投資家にも売買を開放
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BTC・ETH・USDTの現物市場を12月開設
モスクワ取引所(MOEX)は2026年11月2日、12月1日からビットコイン(BTC)など3銘柄の現物取引を開始する計画を発表しました。
ロシア初の組織的なデジタル通貨市場として開設され、ビットコイン、イーサリアム(ETH)、テザー(USDT)を既存の証券取引インフラを通じて売買できるようになる見通しです。
この市場開設の法的根拠となるのが、プーチン大統領が2026年8月4日に署名した連邦法第282-FZ号「デジタル通貨およびデジタル権利に関する法律」で、主要規定は9月1日に施行されています。
同法の下では、仮想通貨の国内決済が一部の例外を除いて引き続き禁止される一方、投資目的の売買は規制下の仲介業者を通じて認められ、証券取引所を通じた仮想通貨(暗号資産)の現物取引が制度化されることになります。
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段階的に開始へ、投資制限と制裁も課題
既存インフラを活用、12月に試験取引を開始
MOEXは同日の公式発表で、12月1日にパイロット取引として市場を開設し、参加者の準備状況に応じて接続先を段階的に増やす計画を明らかにしました。
新市場には既存の株式市場のインフラと国家決済センター(NCC)の清算機能を利用し、取引時間も株式市場と同じモスクワ時間の午前6時50分から午後11時50分までに設定されます。
取引制度には当日決済(TOD)と翌日決済(TOM)が採用され、流動性管理のためのスワップ取引や、取引相手を指定できる売買方式も設けられる予定です。
MOEXは市場開設後の取扱銘柄についても拡大を予定しており、BTC・ETH・USDTに続いて海外およびロシア国内のデジタル資産を追加するとしています。
一般投資家は年間30万ルーブルまで
MOEXの新市場では一般個人投資家にも取引が認められるものの、購入金額や対象銘柄には同法のもとでロシア中央銀行が定める制限が設けられています。
非適格投資家は事前のリスク確認テストに合格する必要があり、1つの仲介業者を通じた購入額は年間30万ルーブル(約58万円)まで、取引対象もBTC・ETH・USDTなど流動性の高い銘柄に限定されます。
これに対して適格投資家には購入金額や銘柄の制限が適用されず、より広い範囲での取引が認められる一方、ロシア中央銀行は事前のリスク確認テストをすべての投資家に義務づけると説明しました。
ロシアでは2027年7月1日から取引経路の規制も強化され、個人による仲介業者を介さない直接売買(P2P取引)が認められなくなるため、MOEXの新市場は規制下で仮想通貨を売買するための受け皿の一つとなる見込みです。
国際制裁下のMOEX、海外からの市場参加に制約
国内投資家向けの取引制度が整えられる一方、海外との金融取引では制約が残っており、MOEXと清算を担うNCCは米国や英国などの制裁対象に指定されています。
米国財務省は2024年6月12日、MOEXとNCCを制裁対象に指定し、MOEXではドルとユーロの為替取引が停止されたほか、翌13日には英国政府も両機関への制裁を発表しました。
EUも2026年7月23日に第21次対ロシア制裁パッケージを採択し、MOEXを資産凍結の対象に追加しています。
米英EUによる制裁が続くなか、12月1日に予定するパイロット取引はロシア国内の参加者が中心になるとみられ、海外投資家による市場参加には引き続き制約が残る見通しです。
5銘柄、MOEXで先物取引へ
適格投資家7.2万人の先物実績を土台に現物参入
MOEXは2025年夏から仮想通貨関連の先物取引を提供しており、2026年9月16日の公式発表によると、累計7万2,000人を超える適格投資家が取引に参加し、取引総額は6,000億ルーブル(約1兆1,580億円)を突破しました。
同取引所はその後、9月22日にBTC・ETH・SOL・XRP・TRXの5銘柄を対象とする指数連動型の無期限先物を導入し、仮想通貨そのものの受け渡しを伴わない差金決済型の商品を拡充しています。
先物取引で実績を積んできたMOEXは、12月1日の現物市場開設を通じて一般投資家にも取引を開放する計画で、パイロット取引の規模や参加者の動向が注目されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ルーブル=1.93 円)
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Source:MOEX公式発表
サムネイル:AIによる生成画像


























