エルサルバドルで「ビットコインを法定通貨として採用する法案」が承認されたことに続き、メキシコやトンガなどの国の政治家からも『暗号資産・ビットコインの法的枠組みを提案・推進する』といった発言が増加してきています。エルサルバドル大統領の発表以降は、複数の国の政治家の間でビットコインを支持する声が急速に強まっているため、仮想通貨業界では『ビットコイン法案の動きが他国にも拡大する可能性がある』と注目が集まっています。
エルサルバドルから拡がる「ビットコイン法案」の動き
エルサルバドルでは先日9日に「ビットコインを法定通貨として認める法案」が議会で承認されたため、このニュースは『ビットコインが世界で初めて”法定通貨”として採用された』として世界中で大きな話題となっています。
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領がこの法案を最初に発表した直後には中南米地域の政治家の間で『同様の法案を我が国でも準備する』といった声が出ていましたが、現在もこの動きは拡大しており、先日はメキシコに加えて南太平洋に位置する「トンガ王国」の政治家などからも”ビットコインの支持”が表明されています。
メキシコ:Eduardo Murat Hinojosa議員
メキシコ・オアハカ州知事であるEduardo Murat Hinojosa氏は2021年6月8日のツイートで、スペイン語と英語の両方を用いて『私はメキシコの下院で仮想通貨の法的枠組みを提案・推進する』と宣言しました。
なお、Eduardo Murat Hinojosa氏は自身のプロフィール画像もビットコインを支持する意味を込めた「レーザーアイ(SNSの投稿画像などで目からレーザーが出ている加工を施すこと)」に変更しています。
私はメキシコの下院で仮想通貨の法定枠組みを提案・推進します。
さらにメキシコでは、上院議員であるIndira Kempis Martinez氏も2021年6月8日に自身のプロフィール画像を「レーザーアイ」に変更して、ビットコインを支持する意思を示しています。
トンガ王国:Mataʻiʻuluaʻi Fonuamotu議員
トンガ王国の政治家でありながら、王国の貴族でもあるMataʻiʻuluaʻi Fonuamotu(Lord Fusituʻa)氏は、2021年6月9日のツイートで自身のプロフィール画像を「レーザーアイ」に変えたことを報告し、プロフィール欄でも『ビットコインを支持すること』を強調しています。
Twitter上では『トンガはビットコインを採用する次の国になるかもしれない。Lord Fusituʻa氏はすでに国の準備金7億5,000万ドルでビットコインを購入することについて話し合いを行なっているという』といった投稿が多数投稿されていますが、Lord Fusituʻa氏はこれら複数のツイートをリツイートしているため、トンガでもビットコインの採用に向けた取り組みが進められている可能性は高いと考えられています。
中南米諸国の動きにも注目
ビットコインなどの仮想通貨を支持する動きは主に中南米地域で拡大しており、先日7日にはパラグアイの議員であるCarlitos Rejala氏が『今週、パラグアイを革新するための重要なプロジェクトが始動する』とも語っている他、パナマの国会議員であるGabriel Silva氏も『私たちも議会に提出するための法案を準備する予定だ』と語っているため、今後はエルサルバドル以外の国の動きにも注目です。
ビットコイン(BTC)に関しては『送金時間が遅い・送金手数料が高い』などといった否定的な意見も出ていますが、エルサルバドルなどの国ではBTCを迅速かつ安い手数量で送金することができる「Lightning Network(ライトニングネットワーク)」などの技術が活用されているため、このような技術を活用することによって国外から現地にお金を送金する際にも安い手数料で素早くお金を送金することができるようになり、旅行者もBTCだけで手軽に現地を訪れることができるようになると期待されます。