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韓国は仮想通貨大国になれるのか?2020年キャッシュレス化計画


韓国の中央銀行は、キャッシュレス社会を2020年までに実現させることを目標に掲げており、ブロックチェーンや仮想通貨を活用することも検討しているとのことです。

韓国銀行の積極的な取り組み

韓国の中央銀行である韓国銀行は、仮想通貨とブロックチェーンが社会にキャッシュレス化をもたらすと考えています。

韓国銀行は「2017年決済報告書」のなかでキャッシュレス社会の実現に向けた試験的な事業計画を正式に公表しています。ブロックチェーンや仮想通貨の利用可能性を検討しているとのことで、そのほかにも仮想通貨に関する研究や金融システム全体に及ぼす影響を分析する組織なども設立しているとのことです。

現金志向が強い地下経済を開放

韓国政府は以前からキャッシュレス化に向けた取り組みを進めており、様々な計画の提案や議論が行なわれてきました。
また仮想通貨の導入にも関心をもっており、実際にブロックチェーンや仮想通貨を活用したキャッシュレス化に向けたプロジェクトも検討しています。

このプロジェクトは、利便性の向上や現金の製造コストを削減することを目的としています。
韓国は2016年の現金発行に537億ウォン(約54億8000万円)もの費用が費やされているとのことで、韓国政府はこのプロジェクトを成功させることで現金志向が強い地下経済を開放することができると考えているとのことです。

新韓投資のアナリストであるカク・ヒョンス氏は次のように述べています。

「地下経済を開放することができれば、課税の公平性を高めることができる。キャッシュレス社会が発展することによって、映画に出てくるような5万ウォン分の紙幣が詰め込まれた箱を現実で目にすることはなくなるだろう」

首都ソウルは独自の仮想通貨を開発

韓国の首都ソウルのパク・ウォンスン市長は、ソウル市で利用できる独自の仮想通貨「Sコイン」を開発していることを明らかにしています。

パク市長は韓国の政治家の中でも特にブロックチェーン技術に積極的であるといわれており、ソウル市の今後について次のような意見を述べています。

「ソウルが4次産業革命を含む情報通信分野で世界をリードする都市なだけに、当然ブロックチェーンのような新技術を研究しなければならないと思う」

「中央政府のいくつかの規制法令を変えることができるようにしてみたい」

Sコインは、ソウルで環境改善活動を行う市民や若者の就職活動の支援などの福祉プログラムの支払い方法としての使用を目指しています。

ソウル市長が語ったその他の内容はこちらから

2020年までにキャッシュレス社会を実現

韓国銀行の調査によると、韓国の人々は平均で1.91枚のクレジットカード、2.03枚のモバイルカード、1.26枚の小切手またはデビットカードを持っているとのことです。また10人中4人が支払い方法としてクレジットカードを利用しているという結果も明らかになっています。

韓国銀行は2020年までにキャッシュレス社会を実現させることを目指しているとのことです。

またカク氏はキャッシュレス社会には副作用がないわけではないということも語っています。

「現金が私たちの手から消えれば、すべての金銭的取引はインターネット上で行われるだろう。自由が義務を伴うのと同じように、利便性の後に監視と呼ばれるコストがかかる。」

仮想通貨先進国日本の動きは?

2020年の日本では東京オリンピックが開催されることもあり、日本でもキャッシュレス化の動きは進められています。
飲食店情報グルメサイト「ぐるなび」の加盟店ではビットコイン決済の導入が進んでおり、2020年までに加盟店を5万店舗まで広げることを目標にしているそうです。

2020年までは残り2年となりました。韓国だけでなく世界中の国々がキャッシュレス化に向けた取り組みを行なっています。
利便性に伴う監視というリスクに関しては、まだ多くの課題が残されているのが現状です。キャッシュレス社会を実現しつつある各国の現状や今後の動向にも今のうちから注目しておくべきでしょう。

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