ブロックチェーン技術が世界経済キャッシュレス化への鍵!現状と今後への影響
米国に完全なキャシュレス経済がもたらされる日は、遠くないと語るロッド・ギャラット(Rod Garratt)氏は、その実現の大きな鍵を握るのはブロックチェーン技術であると語っています。
キャッシュレス社会実現への鍵
元連邦幹部であるロッド・ギャラット(Rod Garratt)氏は、ブロックチェーン技術がまもなく米国に完全なキャッシュレス経済をもたらすと考えています。
米国では、政府に対して不信感を抱いている国民も多いことから、キャッシュレス経済の実施は多くの問題を抱えていました。
しかしGarrett氏は、ブロックチェーン技術がアメリカに本当にキャッシュレスな社会を実現する鍵を握っていると考えています。
キャッシュレス経済の最先端をゆく|スウェーデン
Garratt氏は、実際に機能しているキャッシュレス経済の例としてスウェーデンをあげています。
スウェーデンでは、現金による取引は国のGDPの1.2%未満となっており、5年以内には物理的なお金を取り除く可能性もあると言われています。
スウェーデン国内の多くの企業が現金取引を受け入れていないこともあり、ほとんどの中央銀行が将来の仮想通貨に電力を供給するための技術に取り組んでいます。スウェーデンの銀行は現金取引を処理しない傾向もあるとのことです。
スウェーデン独自の仮想通貨E-krona
州発行の仮想通貨は、低所得者にとって銀行サービスを高価にする手数料を排除する可能性があります。
ブロックチェーン決済システムの基本原則の1つは、安価で迅速な支払い処理です。
スウェーデン政府はこの目的のために、モバイル決済のための独自の仮想通貨を発行する機会を模索しています。
「E-krona」と呼ばれるこの仮想通貨は、アイオータ(IOTA/MIOTA)をベースとしており、小口取引で使用されます。
スウェーデン中央銀行Riksbankは「今後発行されるE-kronaは従来の通貨と同等ではあるが、個人、企業、または当局間の小規模取引に使用されるべきだ」という考えを支持しています。
キャッシュレス経済を代表するスウェーデンは、昨年の時点でビットコイン(BTC)を体内に埋め込む研究を実用化しています。
スウェーデンはマイクロチップも導入済み
課題を抱えるキャシュレス大国|アメリカ
米国は、キャッシュレス経済の実現を阻害するいくつかの問題抱えています。
これらの主要な問題の中には、政府に対する信頼とオンラインプライバシーの懸念があります。
2015年のピューリサーチセンター(Pew Research Center)が発表した研究結果によると、アメリカでの政府に対する信頼は19%にまで急落しており、1960年代半ばに記録された77%から大幅に減少しています。
クレジットカードでの支払い
しかし米国は、国民1人あたり約3枚のクレジットカードを所持しており、クレジットカードの保有数が最も多い国でもあります。
仮想通貨に関しては、ウォール街の大手銀行などが様々な議論を繰り広げています。すでにクレジットカードによるキャッシュレス化が進んでいるアメリカは、仮想通貨を受け入れるまでにそれほど時間はかからないのかもしれません。
中央銀行はまもなく暗号通貨を発行する
Garratt氏は、中央銀行がすぐにでもブロックチェーン技術の採用と導入を開始すると考えているとのことで、ボストンで開催されたMIT Blockchain会議では「中央銀行は間もなく暗号通貨を発行し始めるだろう」と語っています。
Garret氏は以前、スイスの国際決済銀行(BIS)の顧問として勤務していました。
BISは、国有の仮想通貨が動作するメカニズムを調査しており、最近では中央銀行による仮想通貨が世界経済を不安定にする可能性があると述べています。
米ドルの仮想通貨同盟FEDCOIN
米国の一部の人々は、いくつかの仮想通貨決済ソリューションを提案しています。
ブロガーであるJP Koning氏は「Fedcoin」と呼ばれる仮想通貨のアイデアを提案しました。
Fedcoinは、テザー(Tether/USDT)と同じように米ドルに対して1:1の比率で運用されます。テザーとの違いは、連邦準備制度理事会が米ドルへの仮想通貨同盟として発行するということです。
仮想通貨にも積極的|オーストラリア
仮想通貨やブロックチェーンを積極的に取り入れているオーストラリアは、デビットカードも普及しています。
偏りなく幅広い視点でキャッシュレス化が進むオーストラリアは、ビットコイン決済だけでなく、ブロックチェーンの学校も設立しています。
オーストラリアとブロックチェーン
電子マネーが急速に普及|ロシア
ロシアでは2016年に、給料を現金ではなく電子マネーで支払うといった提案も出されており、電子マネーの普及が加速しています。
未だに謎の多いロシアですが、仮想通貨に関しては慎重に規制を定めつつも全体的には前向きな姿勢を見せていることが伺えます。
キャッシュレス経済トップ|カナダ
Garratt氏は、Project Jasperチームの一員でもあり、大規模な銀行間支払いのブロックチェーンネットワークを構築する方法を模索していました。
Project Jasperは、2016年6月にカルガリーで演説した最初のDLTの主力実験です。
ペイメント・カナダ、カナダ銀行、主要なカナダの銀行と『R3』の合弁事業であり、「CADcoin」または「settlement coin」と呼ばれるDLTベースの決済資産を使用して擬似卸売決済システムを構築し、テストしています。
R3コンソーシアムに関する情報はこちら
カナダは、以前から仮想通貨に対しても積極的な姿勢を見せている国の一つでもあります。
しかしカナダ中央銀行は、仮想通貨の発行よりもブロックチェーン技術についての理解を深めることが先決であると考えており「実用的な利用は概念実証を重ねて、有益性とリスクを慎重に検討したうえで決定する」という意向を示しています。
仮想通貨先進国でありながら現金主義|日本
仮想通貨市場ではリーダーとも言われるほどの取引量を誇る日本は、キャッシュレス経済に関しては遅れているとも言われることもある状況です。
一般的に言われているのが『中央銀行への信頼が高い』といった理由ですが、高齢者にお金が集中していることやコンビニATMなどが充実していることなどの日本特有の様々な側面の影響も大きいと考えられます。
日本政府は2014年6月に決定した「日本再興戦略」で「2020年に向けたキャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性向上」を掲げていますが、4年後である現在でも「カード自体持っていない」という人も多いのが現状です。
しかし仮想通貨の普及に伴い、この数ヶ月間で仮想通貨決済を導入する店舗も増えてきています。
2018年内には、大手企業が仮想通貨関連のサービスを本格的に開始することも明らかになっていることから、今後は日本でも急速にキャッシュレス化が進むことも予想されます。
そうなった場合には、これまで頑なに現金主義を貫いてきた人々への対応が大きな課題の一つとなるでしょう。
考えられる今後への影響
銀行全体の役割が大きく変化
中央銀行が仮想通貨を本格的に導入し始めた場合には、商業銀行の役割については再検討する必要があると考えられます。
仮想通貨は仲介を必要とせずに動作するため、銀行は新たな仮想通貨経済に対抗することもできます。
デジタル派とアナログ派の二極化
スマートフォンやパソコンを利用したことがないという人は、日本でも未だに多いという現状があります。
この現状を踏まえると、仮想通貨やキャッシュレス化を実際に一般化させるためには、より扱いやすいサービスやわかりやすいシステムなどが必要となることが予想されます。また仮想通貨に関して実際に詳しく説明することができる人材や専門家なども、さらに多く求められることにもなると思われます。
今のような状況が続いた場合は真のキャッシュレス化は実現できない結果となるだけでなく、さら大きな格差が生まれることで多くの混乱や新たな中央集権が生まれることにもなりかねません。
公的な対策と民間での対策
オーストラリアのようにブロックチェーン技術を学ぶための大学を早期に設立することは、このような課題への効果的な対策の一つとなるため、今後は日本でも暗号化技術などの教育が強化される可能性もあります。
しかし現在の日本には、オーストラリアとは違ったアプローチでの対応策となる準備がすでに整っているとも考えられます。
理想的なキャッシュレス経済への鍵|ネム(NEM/XEM)
主要な仮想通貨の中でも特に実用的な通貨であるネム(NEM/XEM)のユーザーたちは、強い繋がりに支えられた一般の人でも親しみやすいコミュニティを形成しており、様々な人々の情報交換の場ともなっています。
今後、ネム(XEM)での支払いに対応した店舗が増えることになれば、仮想通貨を私生活でも気軽に利用することができます。
NEM決済対応のお店が増えることでNEMのコミュニティはさらに拡大するため、コミュニティを通した情報交換は自然と多くの人々の間で行われることになります。公的な機関を必要しないこの方法は、理想的な形でキャッシュレス経済を促進することができます。
親しみやすい上に実用的でもあるNEMのコミュニティは、これから仮想通貨を学ぶ多くの人々にとって重要な役割を担うことになるかもしれません。
これから仮想通貨を始めるという方は、NEMを購入してコミュニティを訪ねてみてください。きっと仮想通貨に関する多くのことを楽しく学ぶことができるでしょう。
(引用:bitcoinist.com)