スイスとシンガポールに拠点を置くスタートアップ企業であるTangem(タンジェム)は、ビットコイン(BTC)を形のある「紙幣」として販売する試みを5月3日から試験的に開始しています。
形のあるビットコイン紙幣|Tangem Notes
公開されたプレスリリースでこのビットコインの紙幣(スマート紙幣)は、サムスン電子製のチップが内蔵された「Tangem Notes」と呼ばれています。
Tangem Notesは、0.01BTC(約1万1000円)と0.05BTC(約5万5000円)の2種類が用意されており、仮想通貨の取得、所有、流通の簡素化とセキュリティを大幅に改善すると説明されています。
Tangemの紙幣は現金と同じように手渡しで利用します。
つまり相手に直接ウォレットを渡すことになるため、取引手数料を必要とせずに安全かつ匿名でのやりとりが可能となります。
特別なインフラはなく複雑なアプリケーションも無いこのサービスは、NFC対応のスマートフォンを使って紙幣に触れるだけで、有効な資産があることを100%保証することができます。
サムスンによって最近開発されたS3D350AチップをベースとしたTangem Noteは、「Common Criteria EAL6+」及び「EMVCo」と呼ばれるセキュリティ基準で認定された暗号化技術を搭載した業界初のハードウェアストレージソリューションであるとのことです。
またTangem社には、VISAでシニアバイスプレジデント兼イノベーションの責任者として5年間在籍した後、ユニークなエグゼクティブネットワークと経験を持っているVijay Sondhi氏が上級戦略アドバイザーとして加わるとのことです。
試験的に発行される最初の1万枚は、シンガポールから世界中の提携先と販売業者に出荷される予定となっており、現在はシンガポールのMegafash Suntec City店舗で販売されています。
仮想通貨大国を目指すスイス
以前から金融大国であるスイスは、ビットコインATMの配備や規制の緩和などに積極的な姿勢を見せており、国を挙げて仮想通貨ビジネスを全力で後押しする環境を着々と整えています。
スイスにあるLucerne University of Applied Sciences and Arts(ルツェルン応用科学芸術大学)は昨年、ビットコイン(BTC)で学費を受け付けることを発表しています。
また今年の2月16日にスイス金融市場監督機関(FINMA)は、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)に一定の規制に適用するためのガイドラインを発表しています。
このガイドラインでは今後のICOをどう評価し、どの法律を適用するかを決定するために、ICOで発行される トークンを「決済トークン」「ユーティリティトークン」「資産トークン」という3つのカテゴリーに分類し、それぞれに適用する法律が明らかされています。
このような取り組みを進めるスイスには仮想通貨取引所Bitfinexが拠点を移すことを発表しています。
(引用:https://www.prnewswire.com)
仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)は、ビットコイン(BTC)の積立サービスも提供しています。