イーサリアムネットワークのプロトコルをアップグレードする『Casper v0.1.0』の最初のバージョンが、5月8日に開発者らによってリリースされました。このリリースはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への最終的な移行に向けた重要な一歩となります。
Casper(キャスパー)FFG開発者ダニー・ライアン氏のコメント
Casper the Friendly Finality Gadget(Casper FFG)の開発者であるDanny Ryan(ダニー・ライアン)氏は、イーサリアム(ETH)のネットワークがコンセンサスに達するように意図的に変更された『Casper(キャスパー)v0.1』のコードを5月8日にGitHubに投稿しました。
ライアン氏は「v0.1.0は、より明確にタグ付けできるように修正したリリースであり、クライアントや外部監査人が契約や変更をより簡単に追跡できるようになる」と述べています。
ライアン氏は今回のアップグレードに関する掲示板Redditの投稿に対して次のように述べています。
「現在契約を利用しているのは、研究チームだけに限らず、監査人、クライアント開発者、およびその他の企業を含む多くの企業が使用しているため、より明確なバージョニングと変更ログを発行し、誰もが整理された状態を保つことができる、より明確なバージョンをリリースしたいと考えていました。」
EthereumネットワークにおけるCasper(キャスパー)の効果
Casper(キャスパー)とは、完全なプルーフ・オブ・ワーク(PoW)ではなく、PoWとプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を組み合わせた承認方式となっており、初めはイーサリアムを預けてPoWでマイニング報酬を受け取り、一定のブロック数に達した時点からPoSによる報酬が得られる仕組みとなっています。
Casper FFGは2017年10月に公開されており、今年の4月20日には「Ethereum Improvement Proposal(EIP)#1011」の発行に伴い「Hybrid Casper FFG」が導入されました。
EIP#1011の詳細はこちら
これらはマイニング(採掘)に関連する問題からネットワークを遠ざけるための、コンセンサスのハイブリッドシステムを作り出すことを目指しており、アップデートの具体的な項目の1つには、マイナー(採掘者)に対するブロック報酬を現在の3ETHから0.6ETHに減額する修正が含まれています。
PoSに移行することによって、マイニングで消費される「無駄な電力」を軽減することができるとされており、ネットワークバリデータは無駄な処理などを削減することができるため、イーサリアムのインフレ率をそれに応じて下げることができると言われています。
今後の発表や動きには特に注目
これまでのイーサリアムは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)を通して合意を達成していますが、開発者たちはイーサリアムをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行することを望んでいます。
PoSに移行することによってノード事業者はイーサネットを入金したりネットワークのバリデータになるように「支える」ことができます。
Casperがネットワーク上でアクティブになると、イーサリアムは、PoWとPoSの両方の要素を組み合わせたハイブリッドコンセンサスアルゴリズムを使用します。初めのコンセンサスは主にPoWによって達成されますが、PoSは次のリリースで徐々により重い作業負荷を引き受けることになります。
Casperがメインネット上でオンラインになるかについてはまだ明らかではありませんが、イーサリアムは最終的な形に徐々に近づいています。
イーサリアム(ETH)のアップデートMetropolis(メトロポリス)は2018年で完了するといわれており、アップデートが完了する際には大きな価格変動が起こるとも言われています。
今後のイーサリアムにはさらに注目が集まります。
公開されたcasper(キャスパー)のソースコードはこちら
>>github.com
(引用:reddit.com)
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