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イーロン・マスク氏「Twitterの買収撤回」を通知|契約違反を指摘


TeslaやSpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏が2022年7月8日に、総額440億ドル(約5兆9,000億円)で合意していた「Twitter(ツイッター)」の買収を取りやめることを同社に通知したことが明らかになりました。

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「Twitterは契約上の義務を遵守していない」と指摘

TeslaSpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏が2022年7月8日に、総額440億ドル(約5兆9,000億円)で合意していた「Twitter(ツイッター)」の買収を取りやめることを同社に通知したことが明らかになりました。

イーロン・マスク氏はSNS上の検閲的行為が行き過ぎていることなどを問題視した上で『言論の自由を守る』との公約を掲げて2022年4月に”Twitter買収”を提案、本人確認済みアカウントを増やして利用者の匿名性を下げていく方針を示しており、2022年4月25日には「1株あたり54.20ドル(総額約440億ドル)での買収」に合意したことが報告されていました。

しかし、米国証券取引委員会(SEC)に提出された最新の書類では『マスク氏は取引完了に関連する合理的な事業目的のために必要なデータと情報の提供を求めていたが、Twitterはその契約上の義務を遵守していない』と指摘されています。

イーロン・マスク氏は『収益化可能なデイリーアクティブユーザーの約5%が偽アカウントである』というTwitter側の主張を精査したいとして買収手続きを一時保留にしていましたが、今回の書類では『Twitter側は過去2ヶ月間に渡って要求した情報を提出しなかった』と主張されています。

Twitter側は米SECへの開示の中で「1日あたりの利用者約2億2900万人のうち、偽アカウントの割合は5%未満だ」と推定していますが、マスク氏は「この比率がもっと高かった場合には実際の利用者数が減り、企業価値が損なわれる可能性がある」との懸念を示していました。

マスク氏側の弁護士は「このような情報はTwitterの事業と財務実績に関する基本的なものであり、今後の事業移行計画を進めるために必要なものであるため、買収取引を完了するためにはそれらの情報が必要である」と説明しており、必要な情報が提出されなかったことが買収撤回の要因の1つであることを説明しています。

また今回の書類の中では『Twitterは”現在の事業組織の重要な構成要素を実質的にそのまま維持する”という義務から逸脱する際には、その前にマスク氏の同意を得るという契約上の義務に違反した』とも主張されており、Twitter社が最近行った従業員解雇がこの契約に違反していると指摘されています。

しかし、Twitterの会長であるBret Taylor(ブレット・テイラー)氏は2022年7月8日のツイートで『Twitterの取締役会は、マスク氏と合意した価格と条件で取引を完了させることを約束し、買収契約を執行するために法的措置を取る予定だ』とも語っているため、今後は訴訟合戦に発展する可能性があると見られています。


Twitterの取締役会は、マスク氏と合意した価格と条件で取引を完了させることを約束し、買収契約を執行するために法的措置を取る予定です。私たちはデラウェア州裁判所で勝訴することを確信しています。

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