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暗号資産取引所の新規ライセンス申請受付「3年間停止」へ:フィリピン中央銀行

フィリピン中央銀行(BSP)は2022年8月12日に、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)のライセンス申請受付を2022年9月1日から3年間停止することを発表しました。

この変更によって、今後は既存のBSP監督下にある金融機関(BSFI)にのみ新規VASPライセンスが付与されることになると報告されています。

金融イノベーションとリスク管理のバランスを取る目的

フィリピン中央銀行(BSP)は2022年8月12日に、BSPの金融委員会が『金融システムの健全性と安定性を維持し、デジタル・エコシステムに対する消費者の信頼を強化する』というフィリピン中央銀行の方針に沿って、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)のライセンス付与方法を変更するアプローチを承認したことを発表しました。

暗号資産サービスプロバイダー(VASP)のライセンス付与方法を変更するアプローチが承認されたことによって、VASPの新規ライセンス申請受付は2022年9月1日から3年間停止されることになり、既存のBSP監督下にある金融機関(BSFI)にのみ新規VASPライセンスを付与することになると報告されています。

フィリピン中央銀行は『暗号資産が低コストで金融サービスにアクセスできるようにする機会を提供するのと同時に、金融安定性を損なう可能性のある様々なリスクをもたらすことを認識している』と述べており、今回の変更は「金融分野のイノベーション促進」と「関連リスクを管理可能なレベルにとどめること」のバランスを取ることを目的としたものであると説明されています。

公式発表では『適切な顧客適合性評価と顧客受け入れ慣行を含む強力なリスク管理システムを持ち、金融消費者教育と啓発プログラムを強化している既存のBSFIは、引き続きVASPライセンスを申請することができる』とされています。

また『2022年8月31日までにライセンス申請プロセスのステージ2を完了/通過したBSFI以外の申請書は、ステージ3の要件に基づいて文章/情報の完全性と充足性を処理・評価される』とも説明されていますが、『2022年8月31時点で要件に不備がある申請書は返却され、審査は終了になる。2022年9月1日以降フィリピン中央銀行は新規申請を受け付けない予定だ』とも説明されています。

フィリピン中央銀行の総裁であるFelipe M. Medalla氏は、今回の決定について次のように説明を行っています。

最近の市場の発展によって、修正されたVASPライセンスのアプローチを採用することが必要後なりました。このアプローチによってフィリピン中央銀行に登録された既存の暗号資産サービスプロバイダーの全体的な実績とリスク管理システム、金融サービスや金融包摂の課題への影響、デジタル決済変革ロードマップの目標達成への貢献度を評価することに焦点を移すことになります。

フィリピン中央銀行が公開しているデータによると、フィリピンで暗号資産サービスプロバイダーのライセンスを有する金融機関は2022年6月30日時点で19あるとのことですが、そのうちの1つは2022年1月に稼働を停止、5つはまだ運営を開始していない状況だと報告されています。

>>「フィリピン中央銀行」の公式発表はこちら