ビットコイン(BTC)関連事業に特化したテクノロジープロバイダーであるDiamond Hands(ダイヤモンドハンズ)は2023年4月28日に、ビットコイン上のスマートコントラクトプラットフォームとして注目されている“RGBプロトコル”に対応したウォレット「Shiro Wallet」のα版をリリースしたことを発表しました。
RGBプロトコル対応ウォレット「Shiro Wallet」α版公開
Diamond Hands(ダイヤモンドハンズ)は2023年4月28日に、ビットコイン上のスマートコントラクトプラットフォームとして注目されている“RGBプロトコル”に対応したウォレット「Shiro Wallet」のα版をリリースしたことを発表しました。
ダイヤモンドハンズは、ビットコイン関連事業に特化したテクノロジープロバイダーであり、過去には国内取引所とも協力しながらビットコインの少額決済などに役立つレイヤー2技術「ライトニング・ネットワーク」を活用したBTC決済などの取り組みも実施されています。
2022年にはライトニング決済の実証実験
RGBプロトコルとは?
RGBプロトコルとは、2017年に考案されたビットコインのネットワーク上でスマートコントラクトを実現するプロトコルであり、送金記録やコントラクトの実行をオフチェーンのクライアント側で処理するオフチェーンスマートコントラクトプラットフォームとなっています。
この技術はライトニングネットワークの機能性も拡張することから「ライトニングネットワーク上での分散型金融サービス提供を可能にする技術」として注目されている他、「従来のスマートコントラクト技術よりもスケーラブルでプライベートなコントラクトが実現出来る技術」としても注目されています。
RGBプロトコル上のトークンはライトニングネットワーク上の送受信にも対応可能で、ライトニングの特徴である”安価で高速な送金”をRGBトークンにも活かせるのが特徴です。
先日はRGBのプロトコルスペックが大幅に改善された「ver 0.1.0」が公開されている他、RGBトークンのライトニング対応にも進捗があり、開発コミュニティも活発化してきています。
Shiro Walletとは?
Shiro WalletはWebサーバー型ウォレットであり、ウォレットの各エンドポイントを呼び出すことによって他サービスとの連携や拡張をシームレスに行えることが特徴とされています。
このウォレットは現状α版としてテストネットで公開されていますが、既に「RGBウォレットの作成・RGB上でのトークン発行・トークンの送受信」などの機能を実際に実行することが可能となっています。
今後具体的に想定されている応用例としては、以下のようなサービスやアプリケーションが挙げられています。
- Shiro walletで発行したアセット(RGB20)とライトニングネットワーク上のBTCとのサブマリンスワップを行うサービス
- BTCを担保としたWrapped RGB20の発行サービス
また、Shiro Walletの開発ではRGBウォレット開発者向けに公開されている「rgb-lib」が採用されているとのことで、このライブラリを使うことでRGB特有のクライアントサイドバリデーションを意識することなくウォレットの開発をすることが出来ると説明されています。
さらに、本来であればRGBでは当事者間で対話的にアセットデータの送信や検証を行う必要があるものの、rgb-libではプロキシサーバーを使うことで非同期的なアセットの送受信が可能になっているとも説明されています。
Shiro Walletのソースコードは全てDiamond Handsの公開Githubレポジトリ上で公開されており、自由に閲覧、利用することができるようになっています。
Shiro WalletはRGB上の先進的取組み
RGBプロトコルでは、ライトニングネットワーク上でのトークン利用実現に向けて現在急速に開発が進められていますが、今回の「Shiro Wallet」は世界的にも先進的な事例であると報告されています。
Diamond Handsは、RGBプロトコルを利用したビットコイン上のトークン利用やスマートコントラクト機能に注目しているとのことで、先日公開された日本市場特化型のライトニング決済ソリューション「DH Pay」への将来的な統合や、ライトニング上のステーブルコイン応用の研究開発などを検討しているとのことです。
ダイヤモンドハンズは今後の展望について公式発表の中で次のようにコメントしています。
Diamond HandsではRGBプロトコルを利用したビットコイン上のトークン発行やスマートコントラクト機能に注目しています。
Shiro Walletは研究開発を兼ねたその第一歩であり、今後RGB上でのステーブルコインの発行とライトニング上での送受信対応、RGBトークンのルーティング運用などの可能性について引き続き研究していく予定です。
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