「デジタルコンテンツの販売」に該当すると指摘
ビットコイン(BTC)の投げ銭機能を搭載した分散型SNS「Damus」は2023年6月13日に、同サービスのBTC投げ銭機能「Zaps」についてApple社からガイドライン違反の指摘を受けたことを発表しました。
Damusは、暗号鍵ペアに基づく分散型ネットワークを構築しているオープンプロトコル「Nostr」の技術を活用した分散型SNSであり、BTCを少額送金できる技術「Lightning Network」を介したBTC投げ銭機能などを特徴としています。
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Apple社はDamus宛に送信したメッセージの中で「Zapsの機能は”デジタルコンテンツの販売”に使用される可能性があるため、Zapsボタンは削除しなければならない」と説明しており、14日以内に対応が行われない場合にはアプリストアからDamusを削除すると警告しています。
なお、Apple社は今回のメッセージの中で『チップや寄付は任意であるものの、デジタルコンテンツの受信に関連する場合はアプリ内課金を利用しなければならない』とも説明しています。
プロフィール欄のZaps機能は許可
Damusは14日のツイートで「Appleから連絡があり、Zapsの役割について話し合うことになった」と報告していましたが、その後のツイートでは「Zapsはデジタルコンテンツの販売とみなされるため、投稿欄にあるZapsボタンを削除しなければならない」と説明されています。
ただし、プロフィール欄にあるZaps機能は許可されているとのことで、「不自由にはなるが少なくともまだ投げ銭を行うことはできる」とコメントされています。
Zapsボタンは「デジタルコンテンツの販売」とみなされるため、投稿欄にあるZapsボタンを削除しなければなりません。プロフィール欄からのZapのみが許可されています。これによってDamusが使いづらくなりますが、少なくともまだZaps機能を利用することはできます。
ジャック・ドーシー氏らも反論
今回のApple社側の対応については「Apple社の対応は間違っている」「Apple社は誤解している」といった指摘の声が多数出ており、Twitterの元CEOであるジャック・ドーシー氏も『投稿に対する投げ銭はデジタルコンテンツの販売ではなく、フィードバックの1つである』と説明しています。
これはApple社が間違っています。投稿に対して投げ銭する行為はデジタルコンテンツの販売ではなく、フィードバックの形の1つです。
なぜ人々が互いにビットコインを送り合うことを制限するのでしょうか?これは本当にグローバルなインターネット決済プロトコルを構築する唯一の機会です(これはApple社にも多大な利益をもたらすはずです)。
また、今回の件については「Epic Games」のCEOであるTim Sweeney氏もコメントしており、Apple社がアプリ内課金で30%の手数料を課していることに触れて『もしもAppleがこれに課税できるなら、デジタルバンキングや給与計算などその他あらゆるものに課税できるだろう』と語っています。
Sweeney氏のApple批判は過去にも