現物ETF開始で数兆円規模の資金が流れ込む?
仮想通貨投資会社である「Galaxy Digital」は2023年10月24日に公開したブログ記事の中で、ビットコイン現物ETFが米国で提供開始されると数百億ドル(数兆円)規模の資産が流入する可能性があるとの予想を示しました。
暗号資産業界では、米国の現物ETF承認に期待が高まっていますが、Galaxy Digitalは「米国の現物ビットコインETF承認は、ビットコインや仮想通貨の採用にとって最も影響力のある要素の1つになるだろう」と述べています。
今回の記事では現物ビットコインETFの利点や重要性などについても詳しく説明がなされており、具体的には以下のようなことが書かれています。
ビットコインETFとは?
現物ビットコインETFのメリット
Galaxy Digitalは「既存のビットコイン投資承認には投資家にとって重大な欠点がある」と述べており、現物ETFは自分でビットコインを保有・管理することなくビットコインの値動きから利益を得たい投資家に最適で、以下のような様々なメリットを提供すると説明しています。
- 他社との競争が進むと手数料が安くなる
- 主要取引所への上場による高い流動性
- 先物商品などよりも優れた価格追跡
- 様々なプラットフォームから投資できる
- 規制当局が定める厳格なコンプライアンス要件を満たしている
- ビットコインのボラティリティが下がる可能性がある
ビットコインETFが重要な理由
ビットコインETFが仮想通貨市場に大きな影響を与える可能性がある理由としては「富裕層全体からのアクセスが増加する可能性があること」や「規制当局と信頼性の高い企業からの正式な承認による受け入れの拡大」が挙げられています。
Galaxy Digitalは「現在利用できるビットコイン投資ファンドの範囲は限られている」と述べており、「ETFはより直接的に規制された商品であり、個人や富裕層を含むより多くの投資家のアクセスを増やすことができる」と説明しています。
また「米国の資産の62%は59歳以上の世代が保有しているが、50歳以上で仮想通貨に投資しているのはわずか8%であり、18歳から49歳の数値である25%以上に比べて圧倒的に低い数字になっている」とも説明されており、「馴染みのある信頼できるブランドがビットコインETFを提供すれば、まだ参加していない高齢者や富裕層を惹きつける可能性がある」とコメントされています。
規制当局や大手企業からの承認は、仮想通貨やビットコインの正当性や信頼性の認識向上に繋がると期待されており、米国証券取引委員会(SEC)によってビットコイン現物ETFが承認されれば、仮想通貨に対する懸念が軽減される可能性があるとされています。
現物ETF、年内承認の可能性
現物ETFによる資金流入のインパクト
Galaxy Digitalは「ビットコイン現物ETFが承認された場合、米国のウェルスマネジメント業界から最もアクセスしやすい直接的な市場となる可能性が高い」と述べており、2023年10月時点で業界で管理されている資産について以下のように報告しています。
ブローカー・ディーラー | 27兆ドル(約4,000兆円) |
銀行 | 11兆ドル(約1,650兆円) |
投資顧問 | 9兆ドル(約1,350兆円) |
合計 | 48兆3,000億ドル(約7,260兆円) |
また、実際に米国でビットコイン現物ETFが提供開始された場合の資金流入額については、初年度に144億ドル(約2兆1,600億円)、2年目に265億ドル(約3兆9,800億円)、3年目には386億ドル(約5兆8,000億円)の資金流入が見込まれるとされています。
今回の記事ではビットコインETF開始後のビットコイン価格についても触れられており、「ETF開始後の最初の最初の1ヶ月では6.2%上昇し、1年間では74.1%上昇する可能性がある」と予測されています。