クロスチェーンブリッジ関連の取り組みを紹介
シバイヌ(Shiba Inu/SHIB)のウェブマガジンである「The Shib Magazine」は2024年9月12日に公開された「The Shib: Edition 41」の中で、SHIBプロジェクトで進められているクロスチェーンブリッジ関連の取り組みを紹介しました。
クロスチェーンブリッジとは、異なるブロックチェーンネットワーク間で暗号資産や情報を移動できるようにする仕組みのことであり、現在は様々なブロックチェーン上でクロスチェーンブリッジ関連のサービスが展開されています。
シバイヌでは、高速&低コストなイーサリアムL2である「Shibarium」が展開されていますが、現在はこのShibariumを外部のブロックチェーンと繋いで利便性を高めるための取り組みが進められているようで、今回の最新刊では「NFTブリッジ」や「Hoichi」についての紹介がなされています。
Shibariumはガス代の安さが魅力
NFTブリッジの利点と課題
NFTブリッジに関する項目では、クロスチェーンブリッジを活用してNFTを異なるブロックチェーン上に転送することによって、NFTをより安い手数料で素早く取引することができるようになるということが説明されています。
The Shibは「Ethereum、Polygon、BSC、Solana、Avalanche、Cosmos」などといった様々な主要プラットフォームが既にブリッジで相互接続されていることを説明していて、NFTブリッジの影響でNFTの取引量や転送件数が増加していることも報告しています。
しかし、その一方ではセキュリティ面で懸念が残されていることも指摘されており、「クロスチェーンブリッジはNFTの成長に大きな影響を与える可能性を秘めているが、セキュリティ・拡張性・標準化・相互運用性などの課題を解決する必要がある」ということが説明されています。
NFTブリッジの仕組みについて
今回の記事では、ブリッジを用いてNFTを他ブロックチェーンに転送する仕組みについても簡単な説明が行われています。記事内で紹介されたNFTブリッジの仕組みの内容は以下のような内容です。
- NFTブリッジは、異なるブロックチェーンを繋ぐ仲介者として機能するソフトウェアプロトコル。具体的には、孤立したエコシステム間で安全に検証できるリンクを作成することによって、NFTや暗号資産を転送できるようにする。
- ブリッジの仕組みはものによって異なるものの、一般的にはロック&ミント&バーン(使用制限&新規発行&焼却処分)を組み合わせた仕組みが採用されている。
- ロック&ミント&バーンの仕組みを採用したNFTブリッジでは「NFTを元チェーン上でロックして使用不可にし、転送先チェーンでラップ版NFTを新規発行する」という流れが取られる。
- ラップ版NFTは元NFTの代わりとして転送先チェーンで取引・活用され、元チェーンにNFTを戻す場合は「ラップ版NFTを焼却処分して、ロックされていた元NFTをロック解除する」という流れが取られる。
- 別のアプローチには、リレーチェーンとバリデーターを使用するものがある。リレーチェーンは異なるブロックチェーン間の通信チャネルとして機能し、バリデーターはクロスチェーン取引の信頼性と完全性を検証する責任がある。この方法でNFTが転送されると、両方のブロックチェーンのバリデーターがトランザクションを確認し、NFTが1つのチェーンから別のチェーンに安全に移動される。
Shibarium採用のNFT取引市場も
Shibariumクロスチェーンブリッジ「Hoichi」の紹介
The Shibは、NFTブリッジの利点・課題・仕組みなどを詳しく説明した上で、Shibariumのサードパーティ製ブリッジである「Hoichi」を紹介しています(※サードパーティ=第三者が開発したという意味)。
Hoichiは2024年7月時点からSHIBのサードパーティ製ブリッジとして機能していたようで、今回の記事では「Hoichiによってあらゆるチェーンの波がShibariumに押し寄せることになる」ということが説明されています。
Hoichiの技術を活用すると「Solana、Tron、Ton、Arbitrum」などの主要ブロックチェーンを「Shibarium」と繋ぐことができるため、他チェーンとの相互運用で新たな可能性を切り開くことができると期待されています。
Hoichiはセキュリティを重視
Hoichiはセキュリティを重視しているとのことで、資産管理では取引承認で複数の鍵による署名が必要となる「マルチシグ」を採用してプライベートキーを小さな断片に分割し、それらをノード全体に分散させていると説明されています。
この仕組みでは、66%の意見合意が得られるまで取引が承認されないようになっているとのことで、このシステムによって攻撃に対する非常に強力な耐性を備えることができるとされています。
トークン選定で厳格な審査プロセス導入
また、ブリッジで転送される各種トークンの整合性を確保することも重要になるため、Hoichiは転送されるトークンの承認に厳格な審査プロセスを導入しているとも説明されています。
具体的には「非公式なステーブルコイン」や「未検証のトークン」は承認されない仕組みになっていて、厳格な監査と検証を経たプロジェクトのみがアクセスを許可されるため、ユーザーはHoichi関連のトークンを安心して利用できるようになっています。
EVMと非EVMの両方をサポート
仮想通貨・ブロックチェーンには、イーサリアムのスマートコントラクトを実行できるソフトウェア環境であるイーサリアム仮想マシン(EVM)という言葉があり、現在は「EVMと互換性のあるチェーン」と「EVMと互換性のないチェーン」が存在します。
Hoichiは最近のアップデートで「EVM互換チェーン」と「非EVM互換チェーン」の両方をサポートするようになったとのことで、これによって「Solana、Tron、Ton、Arbitrum、Koinos、その他非EVMチェーン」を統合できるようになり、分散型金融(DeFi)における相互運用性がさらに向上したと説明されています。
SHIBは大規模エコシステムを構築中
ブリッジによるShibariumの採用拡大に期待
Shibariumは、高速・低コストな取引環境を実現した魅力的なブロックチェーンの1つとなっていますが、記事執筆時点ではそれほど多くのプロジェクトは巻き込めていないのが現状となっています。
しかし、安心・安全なクロスチェーンブリッジが用意されれば、他のブロックチェーン上で展開されていた既存プロジェクトや開発者がShibariumに参加してくる可能性があるため、今後はHoichiのブリッジを介してSHIBエコシステムがさらに拡大していく可能性があると期待されます。
Shibariumのブロックチェーン上で既存NFTなどを取引できるようになれば、従来の一般的なブロックチェーンよりもはるかに安い手数料で取引できると期待されるため、Shibariumの採用は一般の暗号資産保有者にとっても魅力的な選択肢であると考えられます。
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Souce:The Shib: Edition 41
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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