ドバイ財務局が「Crypto.com」と覚書締結
ドバイ政府は2025年5月12日に、ドバイ財務局(DOF)が政府サービスの支払いで仮想通貨決済を利用可能にすることを目的として、仮想通貨関連サービスを展開している「Crypto.com」と覚書(MoU)を締結したことを発表しました。
Crypto.com(クリプトドットコム)は、2016年に設立された暗号資産(仮想通貨)関連企業であり、仮想通貨取引所・仮想通貨対応カード・仮想通貨決済・仮想通貨取引アプリなど仮想通貨に関する様々なサービスを世界中で展開している他、クロノス(Cronos/CRO)と呼ばれる独自トークンも発行されています。
今回の覚書締結はドバイ政府の公式メディア広報機関である「mediaoffice.ae」で発表されたもので、MoUの署名はドバイ国際金融センターで開催された「ドバイ・フィンテック・サミット」の中で実施されたと報告されています。
仮想通貨決済導入でキャッシュレス戦略を推進
政府サービスにおける仮想通貨決済の導入は、デジタル金融のグローバルな進化における重要な一歩と位置づけられており、仮想通貨決済を導入することによって安全・効率的・包括的な金融取引を実現し、ドバイのキャッシュレス戦略を推進することができると期待されてます。
仮想通貨決済は技術的な導入準備が整い次第導入される予定で、正式に仮想通貨決済の受け入れが開始された後は、個人・法人の政府サービス利用者が「Crypto.com」のウォレットを通じて政府サービスの料金を仮想通貨で支払うことができるようになります。
Crypto.comは支払われた仮想通貨をUAEディルハムに換金してドバイ財務局の口座へ送金するため、ドバイ財務局は仮想通貨の価格変動リスクなどを気にすることなく仮想通貨決済を受け入れることができます。
ドバイ執行評議会のアブドゥラ・モハメド・アル・バスティ事務総長は「ドバイ政府の決済システム内で安全な暗号資産ソリューションを導入することは、将来のニーズを見据えてグローバルな経済・金融の変化に対応するための積極的な取り組みだ」と述べています。
世界中で採用が加速する仮想通貨決済
仮想通貨決済の採用事例は世界中で急速に拡大してきており、今年4月にはパナマ市議会が税金や公共サービスの支払いで仮想通貨決済を導入する法案を可決、フランスの観光都市カンヌは2025年夏までに市内店舗の約9割で仮想通貨決済の導入を目指しているとも報告されています。
また、今月7日には大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)がブータン王国の観光産業向けに世界初となる仮想通貨決済システムを導入したと発表しており、今月9日には米ファストフードチェーン「Steak ’n Shake」が全米の約400店舗全てでビットコイン決済を導入することを発表しています。
ビットコイン(BTC)などの仮想通貨は世界中で「価値の保存手段」として知られる新たな資産クラスに成長していますが、その一方では「仮想通貨決済」の採用も順調に拡大してきているため、今後は仮想通貨市場の成長がさらに加速し、日常的な支払いでも仮想通貨を利用できる社会が訪れる可能性があると期待されます。
仮想通貨決済関連の注目記事
source:ドバイ政府メディアオフィス発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Freepikのライセンス許諾により使用