米国、ビットコインが準備資産の主役に
米国のビットコイン関連企業RIVER(リバー)社は2025年5月21日、米国が世界のビットコイン(BTC)保有量で首位に立ち、BTCが「金以上の準備資産」として位置付けられつつあることを明らかにしました。
同社が公開した最新のレポートによると、米国は世界全体のビットコイン流通量の約40%を保有しています(世界人口に占める米国人口比はわずか約4%)。
さらに、米国内でビットコインを保有する個人投資家数は約4,960万人に達し、金を保有する投資家約3,670万人を大きく上回りました。
RIVER社は米国を「世界的なビットコイン超大国」と評価し、ビットコインの早期採用が今後の米国経済の発展と国際的優位性の維持に大きく貢献し得ると指摘しています。
The United States is the global Bitcoin superpower.
Our new report breaks down how this advantage can fuel the next era of American prosperity. pic.twitter.com/v5BNgTGsKA
— River (@River) May 20, 2025
アメリカは、世界におけるビットコインの超大国です。
最新のレポートでは、その優位性がいかにして次なるアメリカの繁栄をもたらす原動力となり得るかを詳しく解説しています。
「安全資産はビットコインが主流に」
レポート:米国のビットコイン覇権鮮明に
米国成人の保有率が世界をリード
RIVER社のレポートが示したデータから、米国のビットコイン優位性が浮き彫りになっています。
米国成人のビットコイン保有率は14.3%にのぼり、この普及度は欧州・オセアニア・アジアの合計をも上回っていることが示されています。
米国の普及割合が欧州・オセアニア・アジアの合計よりも上回っている(画像:REVER社レポート)
米国企業のビットコイン保有シェア「9割超」
また、米国企業によるビットコイン保有も突出しており、米国の上場企業32社が合計約733,000 BTC(780億ドル/11兆円相当)を財務資産として保有しています。
これは世界の上場企業全体で保有されるビットコインの94.8%に相当する圧倒的シェアとなっています。
中でもストラテジー(旧マイクロストラテジー)社をはじめとする主要企業が大規模なビットコイン投資を積極的に公表しており、ストラテジー社だけで約568,000 BTC(全体の約77%)を保有していることが明らかになっています。
一方、米国外の上場企業が保有するビットコインは合計約40,000 BTCにとどまり、企業分野でも米国の存在感が際立っています。
ビットコインマイニングシェアで世界トップに
さらに、ビットコインのマイニング(採掘)産業においても、米国は世界市場を圧倒的にリードしていることが示されています。
2021年に中国政府が国内でのビットコインマイニングを全面禁止して以降、米国はグローバルなハッシュレートの中心地に急成長し、現在では新規発行されるビットコインの38%が米国内の大規模マイニング施設で採掘されていることが報告されています。
米国のマイニング業界は、安定した規制環境や豊富な資本市場、エネルギー資源へのアクセスといった強みを背景に台頭し、2020年以降で米国の採掘シェアは500%以上拡大したとも伝えられています。
このように、個人、企業、そしてマイニング産業に至るまで、ビットコイン分野で米国が世界トップであることが明確になっており、同レポートでは、ビットコインが米国の経済政策や国家戦略において重要性を増している点を強調しています。
「米国を仮想通貨の首都に」
ビットコインが新たな安全資産に?
ニューハンプシャー州が全米初の「BTC準備法案」を成立
米国におけるビットコインの地位向上を示す動きは、最新の政策や市場動向にも表れています。
5月6日、米ニューハンプシャー州議会で全米初となる州政府による「ビットコイン準備法案(HB302)」が正式に可決・成立しました。
ケリー・アヨット同州知事は署名後の声明で「ニューハンプシャー州は再び全米で先陣を切った」と述べ、州の公的資金をビットコインや金などの資産で運用できるようにする新法の施行を報告しています。
この法律により、ニューハンプシャー州は米国で初めて、公的資金の一部をビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)や貴金属で運用する「ビットコイン準備制度」を導入することになります。
「ビットコイン=デジタルゴールド」の現実味
ビットコインが「デジタル時代の準備資産」として注目される中、業界有識者からも同様の見解が示されています。
仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)の創設者アーサー・ヘイズ氏は今年4月、自身のX(旧Twitter)で「米国債や米国株の時代は終わりを迎え、今後は金とビットコインが世界の準備資産になるだろう」と予測しています。
こうした発言は、米ドルや米国債など従来資産への信頼低下と相まって「ビットコイン=デジタルゴールド」という評価が広がっていることを示唆しています。
実際に米国市場では、今年1月に承認されたビットコイン現物ETFへの資金流入が過去最高を記録するなど、機関投資家からの支持も急速に拡大しています。
ビットコインが金と並ぶ「デジタル時代の安全資産」として正式に各国の準備資産に組み込まれるのか、今後の国際金融システムの変化に大きな注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.29円)
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Source:RIVER社レポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像