Iagon・Cloud Court・Fordが概念実証で協力
カルダノ(Cardano/ADA)の技術を活用した分散型クラウドストレージ企業の「Iagon」は2025年6月19日に、自動車大手の「Ford」やリーガルテック企業の「Cloud Court」と連携して、法務データの分散型管理に関する概念実証(PoC)プロジェクトを発表しました。
Iagon(アイアゴン)は、カルダノのブロックチェーン技術や人工知能(AI)などの技術を活用した分散型クラウドストレージのプラットフォームを展開しているプロジェクトであり、データコンプライアンス・プライバシー・セキュリティを備えた共有ストレージ経済を構築しています。
今回のプロジェクトは「分散型クラウドストレージを活用した安全で拡張可能な法務データ管理」に関する概念実証を行うもので、フォーチュン50企業でもある自動車大手のFord(フォード)がアドバイザーとして参加していることから、”カルダノエコシステム全体にとっても大きな前進を意味する取り組み”と評価されています。
法務データ管理の課題と解決策
大手企業や法律事務所は日常的に膨大な証言記録や訴訟関連データを生成していますが、これには証言録取記録・裁判記録・関連資料など機密性が高いものが含まれるため、裁判所の保護命令など厳格なコンプライアンス要件に従う必要があります。
しかし、現在はこれらのデータがチームや案件ごとにバラバラに保存されていることが多いため「データを追跡・比較・再利用しにくい、不正アクセスや紛失のリスクがある、業務効率が悪い」などの課題がありました。
今回のプロジェクトはこのような課題を解決するためのもので、連携する各社が以下のような役割を担当して安全な分散型インフラを構築し、証言データの保存・取得・分析を可能にすると説明されています。
- Iagon:ブロックチェーン対応ストレージ層
カルダノブロックチェーンを活用した分散型クラウドストレージで、不変性・透明性・アクセス制御を実現 - Cloud Court:AI駆動型リーガルテックツール
AIやクラウド技術を活用したリーガルテックツールを用いて、複雑な法務データの取り込みと分析を支援 - Ford:アドバイザーとして支援
世界有数の法務インフラを持つグローバル企業としての視点や法務・コンプライアンス知見を共有。大規模な企業利用に耐えるかをテストする役割を担う。
具体的には「暗号化されたデータをオフチェーンに保存し、アクセス管理や検証はオンチェーンで行う」という“ハイブリッド型設計”で法務データの分散型管理を行うことによって、堅牢な監査証跡と高いセキュリティ性を確保しつつ、法令遵守と使い勝手の両立を実現すると説明されています。
また、今回の技術は法務・医療・公共・金融といった高規制産業でも応用することができるため、今回の実験が成功すれば「カルダノのブロックチェーン技術が法務業界を含む重要産業の変革に貢献できること」が示されると期待されています。
今回の取り組みは、Fordのような大企業が金融分野を超えてブロックチェーン技術の有用性を認識し始めていることを象徴する動きとしても注目されており、フォーチュン50企業によるこうした取り組みは他の大企業の参入を後押しする可能性があるとも注目されています。
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source:Iagon公式発表
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