KuCoin Pay、スイス全土のSPAR店舗でステーブルコイン・仮想通貨決済を導入へ

KuCoin Pay、スイス全土のSPAR店舗でステーブルコイン・仮想通貨決済を導入へ(KuCoin Pay introduces stablecoin and cryptocurrency payments across SPAR stores in Switzerland)
目次

スイス100店舗超のSPARで仮想通貨決済が可能に

大手仮想通貨取引所KuCoin(クーコイン)は2025年9月18日、決済部門「KuCoin Pay(クーコイン・ペイ)」を通じてスイスの大手スーパーマーケットチェーン「SPAR」で日常の買い物にステーブルコインなど仮想通貨で支払えるようにすると発表しました。

スイスの仮想通貨企業DFX.swissとの提携により、DFX社の「OpenCryptoQR」決済システムがKuCoinのアプリに統合され、スイス全土の100店舗以上のSPARで仮想通貨決済が可能となります。

発表によると、ユーザーは店舗レジでKuCoinアプリに表示されたQRコードをスキャンするだけで支払いを完了でき、ガス代は無料で、加盟店側には仮想通貨(暗号資産)が即座に法定通貨で精算される仕組みとなっています。

KuCoinは今回の提携について「仮想通貨を投機対象から実用的な決済手段へ進化させ、従来型の小売とデジタル資産の橋渡しすることで、世界4,100万人超のユーザーにシームレスなショッピング体験を提供する取り組みだ」と述べています。

KuCoin PayとDFXが進めるスイス小売決済の拡大

Binance Payに続くKuCoin Payの参入

SPARはすでに2025年8月、Binance(バイナンス)社の決済サービス「Binance Pay(バイナンス・ペイ)」とDFX.swissを通じて仮想通貨・ステーブルコイン決済を導入しており、スイス国内の100店舗でサービスを開始しています。

今回のKuCoin Payとの提携はこの動きに続くものであり、仮想通貨決済対応店舗は今後数カ月で300店舗以上へ拡大する予定と報じらています。

今回KuCoin Payが参入したことでSPARの店舗では複数の仮想通貨プラットフォームを介した決済が可能となり、より多くの利用者が仮想通貨で買い物を楽しめる環境が整いつつあります。

KuCoinとDFXの協業が示すグローバル戦略

KuCoinは「DFX.swissの革新的なゲートウェイは主要な既存の支払い手段に対応しつつスイスの金融規制を遵守している」と評価しており、ユーザーの資産を自身で管理できる非カストディアルな仕組みで安全性も確保しながら仮想通貨の実利用を拡大していく方針です。

KuCoin Pay責任者のレイモンド・ガイ氏は「仮想通貨を日常生活の一部とするという使命の下、今回の提携によって仮想通貨の実利用拡大と規制遵守の両立を進め、より良い購買体験を提供していく」と述べています。

また、DFX.swiss社CEOであるシリル・トメン氏も「KuCoin Payとの協業は仮想通貨決済を国際的な推進に向けたさらなる一歩であり、デジタル決済が当たり前となる未来に向けた重要なステップだ」とコメントしました。

KuCoin Payは今回の小売分野での展開にとどまらず、すでにeコマースや旅行予約、オンラインゲーム、クーポン・ギフトカードなど幅広い分野への仮想通貨決済サービス展開を進めています。

同社は現在、自社独自トークンのKCSを含む50種類以上の仮想通貨(ビットコイン(BTC)テザー(USDT)USDコイン(USDC)など)に対応しており、高速かつ安全で国境を越えた決済サービスを提供しています。

DFXが提供する自己管理型決済インフラ

一方のDFX.swissはスイスのツーク州に本拠を置くフィンテック企業で、仮想通貨と伝統的な銀行システムの橋渡し役を担っています。

同社はオープンソース技術を活用した法定通貨のオンランプ/オフランプ基盤を提供しており、ユーザーはMetaMask(メタマスク)Ledger(レジャー)などの自己管理型ウォレットから直接、銀行送金(SEPAやSWIFT)やクレジットカード(Visa/Mastercard)経由で仮想通貨と法定通貨の交換が可能です。

このような高度なインフラを持つDFX社との提携により、KuCoin Payはスイス市場で法定通貨と仮想通貨のシームレスな交換・決済の実現を目指しています。

小売業界で進む仮想通貨・ステーブルコイン決済の導入拡大

米小売大手のステーブルコイン導入計画

米国では小売大手のAmazon(アマゾン)やWalmart(ウォルマート)が、高額なクレジットカード手数料(取引額の1~3%)による負担を軽減するため、自社発行のステーブルコイン導入を検討していると報じられています。

クレジットカード決済では米国の大手小売企業で年間数十億ドル(数千億円)規模の手数料コストが発生しており、これを軽減するため現金に近い低コストでの決済が可能なステーブルコインを活用し、決済効率を高める動きが広がっています。

AEONとリップルが東南アジアで決済提携

一方、仮想通貨決済基盤を開発するAEON(イーオン)は米Ripple(リップル)社と提携し、東南アジアの決済プラットフォーム「AEON Pay」で仮想通貨XRPとRipple社発行の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」の決済サービスを開始しました。

ユニクロやマクドナルド、スターバックスなど1万以上の有名ブランドが初期から参加し、東南アジア全域の2,000万店舗でRLUSDによる即時決済が可能となっています。

顧客ニーズが後押しする仮想通貨決済の普及拡大

このように小売業界では顧客ニーズの高まりを背景に、決済コスト削減やサービス差別化を目的として仮想通貨決済を導入する動きが世界各地で加速しています。

今回のKuCoin PayとDFX.swissによるSPARでの取り組みも、仮想通貨の実利用拡大を後押しする重要な一歩になると期待されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.06 円)

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Source:KuCoin公式発表
サムネイル:KuCoin公式発表より引用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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