オハイオ州務長官、仮想通貨決済受け入れを発表
2025年9月24日、米国オハイオ州のフランク・ラローズ州務長官は、州政府が各種手数料やサービス料金の支払い手段として仮想通貨を受け入れる方針を発表しました。
同日、オハイオ州の預金委員会(State Board of Deposit)は、この取り組みに向けた決済代行業者との契約を全会一致で承認しました。
これにより、州の行政サービス料金を仮想通貨で支払うことが可能になる見通しです。
ラローズ氏は今回の決定について「デジタル経済の最前線に立つ大きな一歩だ」と評価し、新たな支払いオプションの提供に意欲を示しています。
AIとWeb3活用で州運営の効率化
オハイオ州、行政サービスで仮想通貨決済を導入
オハイオ州の州務長官・財務長官による決済改革
ラローズ氏とロバート・スプレイグ州財務長官は、2025年4月から州での仮想通貨決済の導入を進め、5月の預金委員会では仮想通貨を決済手段として認可する決議が全会一致で可決されました。
今回の決済代行業者(ベンダー)承認は、仮想通貨導入に向けた最終段階にあたります。
ラローズ氏は公式声明で「我々が全米トップ5のビジネス環境を持つ州に入っているのは、雇用創出につながるツールや技術を積極的に取り入れているからだ」と述べ、オハイオ州がイノベーションの受け入れに前向きな姿勢を示していることを強調しました。
さらに、州務長官室では年間数十万件の取引を処理しており、利用者から仮想通貨による支払いを望む声が高まっていることも明らかにしました。
ラローズ氏は「仮想通貨での支払いオプションを利用者に提供できる日を心待ちにしている」とも述べており、州務長官室が率先して仮想通貨決済を導入する意向を示しています。
2018年の仮想通貨納税の試みと再導入の背景
オハイオ州では2018年11月にも全米初となるビットコイン納税サービスが開始されましたが、必要な委員会承認手続きが完了していなかったため2019年10月に停止されました。
この中断の経緯を踏まえ、今回は預金委員会の承認を経て、仮想通貨決済を正式に導入する狙いです。
さらに、州議会下院は2025年6月18日、仮想通貨による少額決済を非課税とする「オハイオ・ブロックチェーン基本法(HB-116)」を賛成70、反対26で可決しました。
この法案が成立すれば、200ドル(約3万円)未満の仮想通貨取引利益に対するキャピタルゲイン税が免除され、日常生活での仮想通貨利用が促進される見通しです。
同法案にはマイニング事業を不当な規制から保護する条項も含まれており、現在は州上院での審議待ちとなっています。
仮想通貨業界が注目するオハイオ州の取り組み
こうした取り組みに対し、米大手取引所Coinbase(コインベース)CLOのポール・グレワル氏は「オハイオ州で行政サービスの仮想通貨決済が実現した」とX(旧Twitter)に投稿し、州政府の動きを歓迎しました。
It’s happening. Government payments in Ohio today. Everything onchain tomorrow. Thank you ser. https://t.co/ID8xnSI93P
— paulgrewal.eth (@iampaulgrewal) September 24, 2025
ついに動き出しました。オハイオ州では今日、政府への支払いが実施され、明日にはすべてオンチェーンに切り替わります。
ありがとうございます。
専門家は「オハイオ州の今回の取り組みは、イノベーションを促進する明確なシグナルだ」と評価しており、州政府も規制面とインフラの両面から仮想通貨の利活用を積極的に進めています。
少額取引の非課税法案を可決
州税から民間サービスまで広がる仮想通貨決済
米国では行政や民間において仮想通貨決済を導入する動きが活発化しています。
例えばコロラド州ではすでに州税の支払いに仮想通貨が利用可能であり、PayPalのサービスを通じて納税者がビットコインで税金を納めることができます。
決済大手のPayPal(ペイパル)は今月、個人間送金サービスに仮想通貨を直接統合する新機能「PayPal Links」を発表しました。
米国のユーザーはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、自社ステーブルコインのPayPal USD(PYUSD)などを用いて、PayPalやVenmo上で手軽に送金できるようになる見込みです。
Visaも仮想通貨決済インフラの拡充を進めており、7月31日にはPayPal USDやEURCなど複数のステーブルコインを決済ネットワークに統合し、新たにアバランチ(AVAX)やステラルーメン(XLM)といったブロックチェーンにも対応する方針を発表しました。
このように政府から民間企業まで仮想通貨決済の活用が進む中、仮想通貨は米国で決済手段の一つとして着実に存在感を高めつつあります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.67 円)
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Source:オハイオ州公式声明
サムネイル:AIによる生成画像





























