SWIFT、銀行間メッセージング移行テストでイーサリアムL2「Linea」を採用

SWIFT、銀行間メッセージング移行テストでイーサリアムL2「Linea」を採用(SWIFT adopts Ethereum Layer 2 Linea for interbank messaging migration test)
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SWIFT、Linea採用で銀行間送金の実証実験を開始

2025年9月27日、SWIFT(国際銀行間金融通信協会)は、銀行間メッセージング基盤をブロックチェーンベースの通信方式へ移行するための実証実験で、ConsenSys(コンセンシス)社が開発したイーサリアムL2ネットワーク「Linea(リネア/LINEA)」を採用したことが明らかになりました。

ブロックチェーン情報メディア「The Big Whale」によると、この実証実験にはBNPパリバやBNYメロンなど世界的大手銀行10行以上が参加し、メッセージ移行とステーブルコイン統合の両面について検証を行う予定です。

🔴 速報:SWIFT、オンチェーンメッセージングの実証実験にConsensysのL2「Linea」を採用。

BNPパリバやBNYメロンなど10行以上が参加。ステーブルコインの活用も検討中。

SWIFTがブロックチェーン技術を中核システムに取り入れるのは初のケースとされ、昨年同協会が公表したデジタル資産戦略(トークン化資産の実験計画)に続く動きとして注目されています。

Linea導入で変わるSWIFTの国際決済戦略

SWIFTと大手銀行が進めるオンチェーン実験

The Big Whaleによると、SWIFTは複数の参加銀行と数ヶ月にわたる交渉を経て、イーサリアム(ETH)基盤のレイヤー2「Linea」を選定し、自社のメッセージング基盤をオンチェーン化する開発プロジェクトを開始する予定だとしています。

この「オンチェーン・メッセージング」実験にはBNPパリバやBNYメロンなどの世界的な銀行が参加しており、国際送金インフラにブロックチェーン技術を取り入れる前例のない試みです。

ある参加銀行の関係者はこのプロジェクトについて「実現までに数ヶ月を要するものの、国際銀行間決済業界において大きな技術変革をもたらす布石になる」とコメントしています。

銀行のニーズに応えるLineaの技術的特性

SWIFTがLineaを選定した理由については、高度な暗号技術を用いた高いプライバシー保護機能が決め手になったと伝えられています。

銀行業界では厳格なコンプライアンスが求められるため、データ保護と規制遵守を確保しつつ、従来よりも高速で透明性やプログラム性に優れた処理を可能にするブロックチェーン基盤が必要とされていました。

ConsenSys社が開発したLineaは、ゼロ知識証明などの暗号技術により取引の機密性を確保するプライバシー重視のネットワークであり、この特徴が既存の規制枠組みに適合しつつ、ブロックチェーンの利点を取り入れたい銀行のニーズに合致しています。

また、Lineaがイーサリアムのエコシステム上に構築されたレイヤー2であることから、既存インフラとの親和性を保ちながら取引コストを削減できる点も評価されたとみられています。

SWIFTネットワークの課題と競合の台頭

一方で、SWIFTは世界200カ国以上・11,000超の金融機関を結ぶ国際送金ネットワークを運営しており、従来のSWIFTネットワークは複数の中継機関を経由する非効率さや手数料の高さが指摘されてきました。

さらに近年では、エックスアールピー(XRP)などがSWIFTのライバルとして台頭し、より迅速かつ低コストな送金手段として比較されるようになっています。

このような状況を背景に、SWIFTのブロックチェーン戦略は近年加速しており、2024年には北米・欧州・アジアの銀行を巻き込んだデジタル資産および通貨取引の実証実験を2025年に開始すると発表しました。

その前段階として、SWIFTは2024年10月に複数のブロックチェーンを用いたトークン化資産の移転試験を実施し、11月にはUBSアセット・マネジメントやChainlink(チェーンリンク/LINK)との協業によりトークン化ファンドの決済実証にも成功したと報告しています。

今回のLineaを用いたパイロットは、これまでの取り組みを踏まえた次の段階であり、SWIFTの基幹メッセージングをブロックチェーン上に移行することで、より迅速かつ低コストな新たな国際決済インフラの創出を目指すものと位置づけられています。

欧州主要銀行9行、ユーロ建てステーブルコイン発行へ

欧州の主要銀行9行(INGやユニクレディトなど)は9月25日、オランダに新会社を設立し、ユーロ建てステーブルコインを発行する計画を発表しました。

発表によれば、この新しいステーブルコインは2026年後半に発行を開始する予定で、米ドル主導のステーブルコイン市場に対抗し、欧州発で低コストかつ即時に決済可能なクロスボーダー送金手段を提供する狙いがあります。

こうした取り組みの背景には、現在流通するステーブルコインの大半が米ドル建てであるという現状があります。

実際、世界全体のステーブルコイン発行残高は約3,000億ドル(約45兆円)規模ですが、ユーロ建てステーブルコインは約6.2億ドル(約930億円)程度と伝えられています。

この状況を踏まえ、欧州の銀行団は「米国に支配された市場に対し、欧州発の実用的な選択肢を提供することで決済における戦略的自律性を高める」と強調しました。

世界規模で銀行間決済にブロックチェーンやデジタル通貨を取り入れる動きが加速しており、従来のインフラに変革をもたらす可能性に注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=149.51 円)

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Source:The Big Whale
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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