この記事の要点
- 2026年3月21日、ストラテジーCEOがにMSBT需要を試算
- モルガン・スタンレーのBTC現物ETF申請で最大1600億ドル流入想定
- 配布主体から発行体への転換で銀行の関与が拡大
- 個人主導のETF市場に富裕層資産管理の資金流入が焦点
「MSBTはモンスター級」ストラテジーCEOが言及
ストラテジー(旧マイクロストラテジー)CEOのフォン・レ氏は2026年3月21日、モルガン・スタンレーが申請中のビットコイン現物ETF「MSBT」について、最大1,600億ドル(約25.4兆円)の需要を引き出す可能性があるとの見解を示しました。
フォン・レ氏の試算では、同社のウェルス・マネジメント部門が管理する約8兆ドル(約1,270兆円)の資産を前提に、顧客ポートフォリオの2%をビットコイン(BTC)に配分した場合、流入額は1,600億ドルに達するとされています。この規模は、ブラックロックの「IBIT」の約3倍に相当します。
モルガン・スタンレーは顧客プロフィールに応じてビットコイン配分を0〜4%で推奨しており、こうした前提を踏まえ、中間値となる2%であっても既存の主要ETF(上場投資信託)を大きく上回る資金規模になるとしています。
Morgan Stanley Wealth Management oversees about $8 trillion in AUM and recommends 0–4% bitcoin allocation. A 2% allocation would represent $160 billion, ~3X the size of IBIT. $MSBT: Monster Bitcoin. https://t.co/TNYLYRXPiz
— Phong Le (@phongle) March 20, 2026
モルガン・スタンレー・ウェルスマネジメントは約8兆ドルの運用資産を管理しており、ビットコインの推奨配分は0〜4%としています。
仮に2%を割り当てると、約1,600億ドルに相当し、IBITの規模の約3倍になります。
$MSBT:モンスター・ビットコイン
同行はすでにSEC(米国証券取引委員会)にS-1修正申請書を提出しており、ファンドはニューヨーク証券取引所アーカ(NYSE Arca)への上場を予定しています。
今回のMSBT申請は、モルガン・スタンレーが「配布者」から「発行体」へと役割を転換しようとする動きを示すものであり、大手銀行による仮想通貨(暗号資産)市場への関与が深まっていることを示しています。
ウォール街の巨人が仮想通貨本格参入
MSBTの構造と大手銀行の役割転換
MSBTのファンド設計とサービスプロバイダー
モルガン・スタンレーがSECに提出したS-1修正申請書によると、MSBTは1万株を1創設単位とし、初期シードバスケットとして5万株を発行する計画で、調達額は約100万ドル(約1.6億円)を見込んでいます。
また同行は、監査目的として今月9日に2株を購入済みであることも開示しています。
カストディアンにはBNYメロン(現金管理・行政・移管エージェント)とコインベース(ビットコインのプライムブローカー兼保管)が起用されており、いずれも米国上場の現物ビットコインETFで標準的に採用されているサービスプロバイダーです。
個人投資家が主導してきた市場とモルスタの方針転換
MSBTはビットコインを直接保有する構造で、現行の米国上場現物ETFと同様の運用体制となっています。
2024年の現物ビットコインETF解禁以降、市場への資金流入は主にセルフディレクテッド(自己判断型)投資家が主導してきました。
証券アドバイザリーチャネルでは内部規定やリスクモデルを理由にビットコインETFの取り扱いを制限している事業者が多く、富裕層向け資産管理を通じたビットコインへのアクセスは依然として限られています。
モルガン・スタンレーはこうした状況を踏まえ、仲介業者向けに現物BTCスポットETFへのアクセスを段階的に拡大してきており、今回のMSBT申請を通じて自社発行体として管理報酬を直接取り込む体制への移行を明確にしています。
フォン・レ氏が示す需要層の転換と審査の焦点
フォン・レ氏はMSBTを「モンスター・ビットコイン」と表現し、個人投資家が中心だったビットコインETF市場に富裕層向け資産管理という新たな需要層をもたらすと説明しています。
かつてビットコインに慎重だった米国大手銀行が自社名義のスポットBTC ETFを申請したことは、大手銀行によるデジタル資産戦略における具体的な転換点として位置づけられています。
SECは審査期間を明示しておらず、承認の時期も未定ですが、その審査結果が大手銀行系スポットBTC ETF発行という新局面を開くかどうか、市場の関心が集まっています。
BTC・SOL・ETH現物ETFを申請
ソラナETFからオンチェーン化まで、機関資本の動きが加速
機関資本が仮想通貨関連商品へ流れ込む動きは、ビットコインETFだけでなくアルトコインや金融インフラにも及んでいます。
2026年3月には、ソラナ(SOL)現物ETFが市場環境の逆風下にもかかわらず約2,300億円の機関資金を集めており、機関投資家の関心が特定銘柄を超えて拡大していることを示しています。
さらに、金融インフラの分野でも変化が進んでいます。
ムーディーズが業界初の取り組みとして信用格付けデータのオンチェーン化を進めるなど、伝統的金融機関が仮想通貨インフラと接点を持つ動きが相次いでおり、機関資本の関与は運用商品の枠を超えてインフラ層にまで広がりつつあります。
モルガン・スタンレーによるMSBT申請もこうした動きの一つであり、SECの審査結果が大手銀行による仮想通貨市場への本格参入を左右する分岐点として注目されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.24 円)
仮想通貨ETF関連の注目記事はこちら
Source:フォン・レ氏X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用




























