この記事の要点
- リップルが2026年3月31日、国際決済大手Converaとの戦略的提携を発表
- 送金の開始・着金は法定通貨のまま、中間決済のみにステーブルコインを活用
- 企業がデジタル資産を保有せずに送金コスト削減・高速化が可能に
- 140以上の通貨・200以上の国をカバーする決済網にブロックチェーン導入へ
ステーブルコイン決済で送金インフラ刷新へ
米Ripple(リップル)は2026年3月31日、企業向け国際決済大手のConvera(コンベラ)と戦略的提携を発表しました。
Converaは140以上の通貨・200以上の国と地域をカバーする商業決済ネットワークを持ち、旧Western Unionビジネスソリューション部門を前身とする企業です。
今回の提携では、リップルの流動性インフラとConveraのグローバルネットワークを組み合わせ、既存の金融インフラが手薄なコリドー(送金ルート)を中心に国際送金の効率化を進めるとしています。
両社が採用する「ステーブルコイン・サンドイッチ」は、送金の開始と着金を法定通貨のまま維持しつつ、中間の決済プロセスにのみ規制対応済みのステーブルコインを活用する設計となっています。
この設計により、企業財務担当者はデジタル資産を直接保有することなく、既存の業務フローや会計・コンプライアンス対応を維持したまま、送金速度の向上とコスト削減の恩恵を受けられるとしています。
「ステーブルコインはChatGPT級」
「サンドイッチモデル」が解決する企業送金の課題
リップルとConvera、それぞれが担う機能
今回の提携では、流動性・決済インフラの提供をリップルが担い、エンドツーエンドの決済体験の統括をConveraが受け持つ役割分担となっています。
リップルのプロダクト担当SVP(上級副社長)であるアーロン・スレッテホー氏は「企業はデジタル資産の複雑さを直接負担することなく、より速く柔軟に資金を動かす方法を求めている」と述べています。
Converaの外国為替管理・コンプライアンス対応とリップルの流動性・決済インフラを組み合わせることで、これまで収益性や流動性の面で対応しにくかった送金コリドー(送金ルート)もカバーできるとしています。
RLUSDとXRP、コリドーの特性で使い分ける設計
リップルのインフラには「XRP(エックスアールピー)」と同社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」の双方が含まれており、今回の発表では送金コリドーの特性に応じて使い分けられる構造だとしています。
RLUSDは規制対応済みのステーブルコインとして企業財務との親和性が高く、XRPは流動性の補完や決済スピードの向上に活用されるとみられています。
両資産を柔軟に組み合わせることで、既存の国際送金インフラが手薄な地域での対応力強化が期待されています。
9億ドルで独立したConvera、リップルとの提携で次の一手
Converaは2021年にWestern UnionのビジネスソリューションズがGoldfinch PartnersとThe Baupost Groupに9億1,000万ドル(約1,445億円)で売却され、2023年に完全独立ブランドとして再出発した企業です。
独立後は企業向け国際決済に特化した事業展開を進めており、リップルの決済インフラとの統合はその延長線上に位置付けられています。
Converaの通貨網とリップルのブロックチェーン決済インフラを組み合わせることで、コルレスバンキング(銀行間の代理決済ネットワーク)に依存した従来型送金モデルからの転換を図る狙いがあるとみられています。
発表では特にレガシー決済網が制約を受けている地域での効率改善を優先課題として挙げており、新興市場や多通貨間のクロスボーダー決済が主な対象となる見通しです。
AFSLで決済・機関サービス解禁
リップル、国際標準化に向けた動きが加速
米国ではステーブルコインを対象とした法案審議が進んでおり、企業が国際決済インフラへ組み込む動きを後押しする制度環境が整っています。
リップル自身もブラジルでのVASPライセンス申請とともに、機関向けカストディ・ステーブルコイン・プライムブローカレッジ(機関投資家向け証券取引仲介)の一体サービスを展開するなど、送金企業から総合金融インフラ提供者への転換を加速させています。
Converaが持つ200以上の国・地域への決済網とリップルのブロックチェーンインフラが本格統合された場合、法定通貨の枠組みを維持したままステーブルコイン決済を企業財務に組み込むモデルが広がる可能性があります。
今回の提携は、ステーブルコイン決済が実験段階から企業の実務領域へ移行し始めたことを示す事例として注目されます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.59 円)
リップル関連の注目記事はこちら
Source:Convera発表
サムネイル:AIによる生成画像




























