この記事の要点
- 2026年4月30日、米上院のティリス議員がCLARITY法案の審議前進を要請
- 停滞していた市場構造法案がマークアップ段階へ前進する可能性が浮上
- 不成立なら施行2029年まで遅延のリスクも
ティリス議員「審議に進むべき段階」
米上院銀行委員会のトム・ティリス議員(共和党・ノースカロライナ州)は2026年4月30日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」について、マークアップ(修正審議)の推進を求める意向を明らかにしました。
米メディアFox Businessに対し、ティリス議員は「多くの進展があり、委員会での審議に進めるべき段階に来ている」と述べ、委員長にマークアップのスケジュール設定を求める考えを示しました。
🚨Sen. Thom Tillis (R-NC) signals next steps on crypto market structure bill:
• “A lot of progress” made
• Banks’ concerns “addressed”
• Will “ask the chair to move forward with scheduling a markup”
• Says a markup is the “forcing mechanism” to get it done
• Legislative… pic.twitter.com/54GTX4l4j8
— Chase Williams (@ChaseWilliams_) April 29, 2026
🚨トム・ティリス上院議員(共和党・ノースカロライナ州)、暗号資産の市場構造法案の今後の進展について発言:
・「かなりの進展があった」
・銀行側の懸念は「すでに対処済み」
・委員長に対し「マークアップ(条文修正・採決準備)のスケジュールを進めるよう要請する」
・マークアップは「成立に向けた強制的な推進メカニズムになる」と発言
・公聴会の前に法案の条文が提示される予定
また、記者エレノア・テレット氏によれば、障壁となっていたステーブルコインの利回り規定についても「銀行業界の懸念の大部分に対応した」とティリス議員は述べています。
この発言は、1月以降の膠着状態を打開する動きとして受け止められており、上院は現在リセス(休会)中であるものの、復帰後に5月中旬のマークアップが設定される見通しです。
マークアップが実現すれば、仮想通貨(暗号資産)業界が最優先課題として求めてきた市場構造法案が、立法プロセスで前進することになります。
「クラリティ法案はドル覇権の要」
「利回り・DeFi・倫理条項」3争点が前進
銀行業界との利回り対立が収束へ
ステーブルコインの利回り規定は、銀行業界が「既存の預金商品と競合する」として強硬に反対してきた主要論点であり、2026年1月にはこの対立を理由にマークアップが一度中止されています。
3月20日にはティリス議員とアンジェラ・アルソブルックス議員(民主党・メリーランド州)が、ホワイトハウスの支持のもとで原則合意に達しました。
この合意では、保有のみで利回りが発生する「パッシブイールド」を禁止する一方、決済や送金などの利用に連動した「アクティビティベースの報酬」を許容する方針です。
ティリス議員は今回の発言で、マークアップの4〜5日前にステーブルコイン利回りに関する条文テキストを関係者へ公開する手順を整えていると説明しています。
ルミス議員「開発者保護で大きな前進」
利回り問題の収束を受け、交渉の焦点はDeFi(分散型金融)の開発者保護および倫理条項へと移行しています。
争点となっているのは、ブロックチェーン規制明確化法(BRCA)の条項と、連邦刑法第1960条の適用範囲とされています。
第1960条は本来、無登録の送金事業者を取り締まる規定ですが、近年はTornado Cash(トルネードキャッシュ)やSamourai Walletの開発者に対する訴追にも適用され、開発者保護を求める声が強まっています。
BRCAを主導するシンシア・ルミス上院議員(共和党・ワイオミング州)は「送金法に関して、管理権を持たない開発者への保護措置で大きな前進があった」と述べています。
ティリス議員もルミス議員が推進するDeFi開発者保護の方向性について「おおむね支持している」との立場を示しており、法執行機関との調整を経て条文の最終化が進められています。
倫理条項、上院本会議後に追加の見通し
こうした利回りおよびDeFi条項の調整が進む一方、残る論点のひとつとして、政府高官の仮想通貨保有を制限する倫理条項が浮上しています。
民主党側が求めているこの規定は、トランプ大統領とその家族が仮想通貨事業に関与している状況を踏まえたものとされています。
倫理条項については現在も交渉が続いており、法案が上院本会議に到達した後、修正案として追加される可能性が高いと、交渉に詳しい関係者の見方が示されています。
トランプ一族問題でCLARITY法案が停滞
業界120社が審議加速を要請、期限迫る
こうした上院内の動きとは別に、業界側からも法案成立を求める動きが強まっています。
CLARITY法案は2025年7月に米下院を超党派の支持で通過しましたが、上院での審議は9カ月以上にわたり停滞が続いています。
4月23日にはCoinbase(コインベース)やKraken(クラーケン)など120社超が上院銀行委員会に共同書簡を提出し、マークアップへの早期移行を求めました。
Galaxy Digitalのアレックス・ソーン氏は「4月末までに委員会を通過しなければ2026年中の成立可能性は極めて低くなる」と指摘しており、TDコーウェンは不成立となった場合、施行が2029年まで遅れるシナリオを公表しています。
ティリス議員の今回の発言は、こうした審議停滞を打破する具体的な動きとして業界の関心を集めています。
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Source:Fox Business取材
サムネイル:AIによる生成画像




























