クラリティ法案、上院カレンダー掲載で「規制の空白」解消へ一歩

クラリティ法案、上院カレンダー掲載で「規制の空白」解消へ一歩

この記事の要点

  • 米上院がCLARITY法案を立法カレンダーに掲載し、本会議での討議・採決手続きへ移行
  • 米国初の包括的な仮想通貨市場規制を巡り、銀行業界の反発と業界側の成立期待が交錯
目次

CLARITY法案、上院カレンダー掲載

米国の仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」(H.R.3633)が2026年6月1日、米上院の立法カレンダーに掲載され、本会議での討議・採決に向けた手続きを終えました。

これにより同法案は、上院指導部が審議日程を設定すれば本会議での審議に入ることが可能となり、米国初となるデジタル資産市場の包括的な規制枠組みの成立へ向けて大きく前進した形となります。

カレンダー掲載に先立ち、上院銀行・住宅・都市問題委員会はスコット委員長を通じて代替修正案付きで法案を報告しており、同委員会では2026年5月14日に賛成15・反対9の超党派支持を得て可決されていました。

一方で、今回のカレンダー掲載は本会議での審議資格を得た段階にとどまっており、採決日程は現時点で確定していません。

また、ステーブルコイン規制をめぐる銀行業界との意見対立も残されており、法案成立までにはなお複数の手続きや調整が続く見通しです。

銀行業界の反発と市場の先読みが交錯

上院5ステップの最終段階に到達

congress.govの記録によると、同法案はこれまでに導入、委員会審査、マークアップ(修正審議)、上院銀行委員会での可決、上院カレンダー掲載までの5段階を経ています。

残る工程は上院本会議での討議・修正審議・採決であり、可決には60票の賛成が必要となります。

また、2025年7月の下院通過版(賛成294・反対134)と内容が異なる場合には、両院協議を経て最終文案を調整したうえで、大統領へ送付される流れとなります。

本会議採決の日程は上院指導部が設定する形となっており、今回のカレンダー掲載は審議入りの資格を得た段階にとどまるため、具体的な採決日は今後の議会スケジュールの調整を経て決まる見通しです。

JPモルガンCEO、ステーブルコイン条項に反発

立法手続きが進むなか法案内容をめぐる対立も続いており、その象徴的な動きとして米大手銀行JPモルガン・チェースCEOのジェイミー・ダイモン氏が2026年5月29日の米FOXビジネスのインタビューで同法案への強い反対を表明しました。

ダイモン氏は、現行案のままでは仮想通貨企業がステーブルコイン等に連動した報酬商品を、従来の銀行預金と同等の保護なしで提供できる状態になると主張しています。

そのうえで同氏は、マネーロンダリング対策(AML)や銀行秘密法(BSA)上の要件が不十分だと指摘し、関連条項が修正されなければ銀行業界として受け入れられないとの考えを示しました。

こうした反発はダイモン氏個人に限らず、米銀行協会(ABA)もステーブルコインへの利回り付与条項に対して以前から反対の立場を示しており、法案成立へ向けた調整課題の一つとなっています。

法案成立への賭け、1,000万ドル規模で動く

一方で、法案成立を見込んだ対応も広がっており、ギャラクシー・デジタルは6月2日、ヘッジファンドのアルカと1,000万ドル(約15億円)規模の予測市場取引を実行したと発表しました。

この取引は、法案が2027年までに成立すればアルカがギャラクシーへ支払い、不成立となった場合はギャラクシーが支払う仕組みとなっており、アルカが保有する仮想通貨資産の規制リスクをヘッジする目的があるとされています。

銀行業界との対立が続く一方で、市場参加者の一部では法案成立を前提とした対応が進み始めており、議会での審議は最終局面に移りつつあります。

業界ロビーと票固め、採決へ最終調整

ただし、上院での可決には超党派の支持を維持する必要があり、本会議採決に向けては賛成票の確保が引き続き重要な課題となっています。

米デジタル資産業界団体「デジタルチェンバー・オブ・コマース」は5日前、CLARITY法案の上院審議を促す働きかけを行っており、業界側も採決に向けた後押しを続けています。

上院指導部は現時点で本会議の日程を公表しておらず、審議入りの時期や採決までのスケジュールは依然として流動的な状況にあります。

法案はすでに上院カレンダー掲載まで進んでおり、上院指導部が本会議の日程を設定すれば、討議と採決の段階へ移行します。

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Source:congress.gov(H.R.3633)
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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