この記事の要点
- 世界の仮想通貨ATMが68日で1万台超減少
- 大手破産と米4州の全面禁止が背景に
世界の仮想通貨ATM、2.8万台に縮小
世界で稼働する仮想通貨(暗号資産)ATMの台数が、2026年7月8日時点で27,945台まで減少したことが、データサイトCoinATMRadarの集計で明らかになりました。
同サイトによると、5月1日時点の38,708台から68日間で10,763台減少しており、世界全体の設置台数が現在の水準まで縮小するのは2021年9〜10月以来となっています。
減少分の大半は米国で発生しており、米国内の設置台数は地域別の集計で3月29日時点の30,247台から、7月8日時点には20,005台まで減少しました。
詐欺対策と消費者保護を強化
破産と全面禁止、仮想通貨ATM急減の二大要因
大手破産でATM網が全面停止
米国内で仮想通貨ATMの設置台数が大きく減少した時期には、ATM運営大手Bitcoin Depotの経営破綻も重なり、同社は2026年5月18日に連邦破産法第11章(チャプターイレブン)の適用を申請しました。
同社は破産申請時の発表資料で、2025年8月時点に世界9,000カ所超の設置拠点を展開していたと説明しており、州による規制強化や訴訟・法執行の圧力が重なったことで、事業モデルの維持が困難になったとしています。
破産申請後は裁判所の監督下でATMの稼働が停止され、債権者への配当に向けてATM網を含む資産の売却手続きが進められており、CoinATMRadarの月次データでも6月1日時点の単月変動として約1万230台の純減が記録されました。
詐欺被害が急増、州規制強化の引き金
ビットコインデポの経営環境を悪化させた州規制の背景には、仮想通貨ATMを悪用した詐欺被害の急増があり、FBI(米連邦捜査局)のインターネット犯罪報告書(IC3)では、2025年のATM関連の被害報告が前年比23%増の約1万4,000件に達しました。
同報告書によると、60歳以上の被害額だけで約2億5,700万ドル(約415億円)に上り、ATM関連被害全体の約3分の2を高齢者が占めており、高齢者を狙った詐欺への対応として州政府は規制強化を進めています。
ミネソタ州では全面禁止に先立ち、親族へのなりすましや収監をちらつかせる脅しなど代表的な詐欺手口を記載した警告文の掲示を運営者に義務付けるなど、利用者保護に向けた規制が段階的に導入されました。
全面禁止が4州に拡大、2州でも審議
こうした流れを受け、米国では2026年に入って仮想通貨ATMの設置や運営そのものを全面的に禁止する法律が、以下の4州で相次いで成立しました。
| 州 | 法律・署名日 | 内容 |
|---|---|---|
| インディアナ州 | HB 1116(2026年3月) | 全米初の全面禁止 |
| テネシー州 | HB 2505(4月13日) | 7月1日施行、違反はクラスA軽罪(刑事罰) |
| ミネソタ州 | SF 3868(5月5日) | 8月1日施行、2026年末までに撤去義務 |
| バーモント州 | Act 142(6月16日) | 設置・運営を恒久禁止、既存登録も無効化 |
規制の対象はさらに広がっており、デラウェア州でも無登録の仮想通貨ATMを排除する法案「HB 441」が2026年6月に下院の経済委員会を通過し、本会議での採決に向けた審議が続いています。
ニュージャージー州でも同種の法案「S2141」が6月30日に州上院を賛成37・反対3で可決されており、現在は下院で審議が進められています。
天王寺ミオに暗号資産ATM設置
日本では新設へ、大阪に西日本初ATM
米国ではBitcoin Depotの破産や州規制の強化を背景に仮想通貨ATMの設置網が縮小する一方、日本では設置拡大に向けた取り組みが始まっています。
暗号資産交換業者のCOINHUB(コインハブ)は2026年6月、大阪市の商業施設に西日本初となる仮想通貨ATMを設置すると発表しました。
同社はこの拠点を足がかりに全国展開を進める方針を示しており、将来的には国内最大級となる3,000台規模のATM網の構築を計画しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.39 円)
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Source:CoinATMRadar
サムネイル:AIによる生成画像





























