SWIFT共有元帳が初期利用段階に
SWIFT(国際銀行間金融通信協会)は2026年7月8日、トークン化預金を用いた国際送金を支えるブロックチェーン基盤の共有元帳について、初期利用の段階に入ったと発表しました。
6大陸の17行が参加するパイロット(試験運用)では実取引の準備が進められており、日本からは三菱UFJ銀行が参加しています。
共有元帳は参加銀行のトークン化預金(ブロックチェーン上のトークンとして扱える銀行預金)を対象に、週末や夜間を含む24時間365日の資金移動を可能にするとしています。
この構想は2025年9月のSibos(サイボス)で公表されており、SWIFTは各国の金融機関と検証を重ねながら、約9か月で初期利用の段階まで開発を進めてきました。
トークン化債券決済実証
元帳の二段階決済と世界17行の参加体制
デジタルと既存決済をつなぐ二段階方式
発表によると、トークン化預金そのものは各行が自らの台帳上で発行・管理し、共有元帳はそれらを安全に取りまとめる調整層(オーケストレーションレイヤー)として機能します。
資金移動の指示は共有元帳上で成立し、その後、既存の銀行間決済システムで最終決済を完了する仕組みを採用しており、従来のリスク管理やコンプライアンス(法令順守)の枠組みを維持したまま運用できるとしています。
SWIFTのティエリー・シロシ最高事業責任者は「確立された金融の信頼と安定を、デジタルマネーの最前線へ広げられる」と述べ、この共有元帳がプログラマブルマネー(条件に応じて自動で動くデジタル通貨)や自律型商取引の実現につながるとの見方を示しました。
6大陸17行が参加、日本は三菱UFJ銀行
パイロットにはANZ、BNPパリバ、BNY、シティ、DBS、HSBC、ロイズ銀行、スタンダード・チャータード、UBS、ウェルズ・ファーゴのほか、FAB(ファースト・アブダビ銀行)、ファーストランド銀行、イタウ・ウニバンコ、マシュレク、OCBC、UOBが参加し、日本からは三菱UFJ銀行が名を連ねました。
同行でトランザクションバンキング(法人決済業務)を統括する松本正大シニアフェローは「トークン化預金と分散型台帳技術が、国際送金や流動性管理の効率化と透明性の向上に寄与する可能性は高い」と述べています。
同氏はあわせて、実取引を通じた検証を進めながら、新技術を既存の金融システムへ安全かつ段階的に組み込んでいく考えも示しました。
HSBCでグローバル決済ソリューションを統括するマニッシュ・コーリ氏も、自社のトークン化預金サービスを新たな元帳へ接続する取り組みについて「国際送金の進化における重要な節目だ」と評価しています。
EVM互換チェーン採用、参画機関は40超へ
共有元帳の取引基盤には、SWIFTが2026年3月30日に公表したMVP(実用最小限の製品)の概要資料で明らかになったEVM(イーサリアム仮想マシン)互換の「Hyperledger Besu」を採用しており、SWIFTの既存の接続網と組み合わせることで、相互運用性を確保するとしています。
この構想は2025年9月、フランクフルトで開かれた金融業界の年次イベント「Sibos(サイボス)」で発表され、当初は30を超える銀行が参画していましたが、2026年3月末時点では協業する金融機関が40以上へ拡大しました。
SWIFTは今後も限定的な運用を重ねながら機能や参加機関を拡大し、既存ネットワークと連携したデジタル価値の決済基盤として展開していく方針です。
SWIFT半額以下、Mbridge展開へ
日欧でトークン化決済の実証が加速
実際にSWIFTは2026年1月にも、欧州の主要銀行と連携してトークン化債券を対象とした決済実証を完了しており、トークン化を軸にした基盤づくりを段階的に進めています。
日本国内でも金融庁が4月、異なる銀行の顧客間でトークン化預金やステーブルコインを使う2つの方式の銀行間決済について、実証実験への支援を新たに発表しました。
こうした動きと並行して、SWIFTも初期運用を経て対象機能や参加金融機関を順次拡大し、規制されたデジタル価値を扱う決済基盤として展開する方針を示しています。
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Source:SWIFT発表
サムネイル:AIによる生成画像



























