この記事の要点
- 米OCC、仮想通貨企業に国法銀行免許の門戸を開放
- 直近18か月で新規免許の申請件数が40件に到達
「仮想通貨企業に国法銀行の道」OCC新方針
米通貨監督庁(OCC)は2026年8月11日、新規の銀行免許(デ・ノボ・チャーター)の発行を活性化させる方針を発表し、デジタル資産を扱う企業にも国法銀行として参入する道を広げる姿勢を示しました。
背景には、銀行業界への新規参入が長年停滞してきた状況があり、グールド通貨監督官は「規制当局が10年以上にわたって銀行免許や連邦預金保険を求める事業者に事実上”申請は不要”というシグナルを送り続けてきた」と批判しています。
こうした過去の姿勢を転換し、デジタル資産などの新技術を扱う合法的な事業者にも門戸を開く方針で、同氏は「米国もOCCも、事業者に対して再び門戸を開いた」と述べています。
これにより、仮想通貨(暗号資産)関連企業にも国法銀行への参入機会が広がり、連邦規制の下でカストディ(保管)や決済などのサービスを全国的に展開する道が開かれています。
こうした新規参入の動きはすでに申請件数にも表れており、OCCが直近18か月間に受け付けた新規免許の申請は、国法信託銀行を含めて40件に達しています。
SEC・CFTC・OCCによる規制大転換
15年低迷の新規免許が急回復、仮想通貨企業も先行
銀行設立の長期低迷、競争力の低下招く
現在の申請状況は、長年低迷してきた銀行設立の動きが変わり始めたことを示しており、OCCの資料によると、2011年から2014年の申請は年平均4件を下回っていました。
申請が1件もない年があるなど低迷は長期化しており、グールド通貨監督官は「こうした状況が銀行業界の競争力や活力を弱めてきた」と指摘しています。
免許審査を迅速化、5年ぶり国法銀行も開業
新規参入が長年停滞してきた状況を改めるため、OCCは免許審査の迅速化を進め、完全な申請書を受け取ってから120日以内に判断を下すケースが増えていると説明しています。
こうした審査体制の見直しと並行して、5年ぶりとなるフルサービスの国法銀行が最終承認を経てすでに営業を開始するなど、新規銀行の設立も再び動き出しています。
銀行設立を促す動きはFDICにも広がっており、米連邦預金保険公社(FDIC)はOCCの発表に先立って、預金保険申請に新たな審査プロセスを導入しています。
グールド通貨監督官も「FDICの新しいプロセスはOCCの取り組みと合致する」と述べ、透明で明確な申請手続きを通じて、新たな銀行設立を後押しする方針を明らかにしました。
リップル・サークルなど5社に条件付き承認
銀行業界への門戸を広げるOCCの姿勢は仮想通貨分野ですでに具体化しており、2025年12月12日には関連企業5社への国法信託銀行免許の条件付き承認を発表していました。
このうち新設(デ・ノボ)として条件付き承認を受けたのは、リップルの「Ripple National Trust Bank」と、Circle(サークル)が運営する「First National Digital Currency Bank」の2行となっています。
一方、残る3社は州の認可を受けた信託会社から国法信託銀行への転換を申請したBitGo(ビットゴー)、Fidelity(フィデリティ)、Paxos(パクソス)で、いずれも条件付き承認を得ています。
このうちCircleのFirst National Digital Currency Bankは2026年7月に最終承認を取得しており、残る4社は条件付き承認の段階にあります。
クラリティ法案「9月に成立させる」
仮想通貨の銀行参入推進、議会では異論も
銀行免許をめぐる方針転換と並行して、米国では暗号資産を既存の金融制度に組み込むための法整備も進められ、2025年7月にはステーブルコイン規制法「GENIUS法」が成立しています。
一方、暗号資産企業への国法銀行免許をめぐっては異論もあり、ウォーレン上院議員が国法銀行法に違反する可能性を指摘したのに対し、業界団体が反論する書簡を送るなど、OCCの権限や制度の解釈をめぐる対立も起きています。
こうした対立を抱えながらも、米国ではGENIUS法の成立やOCCによる新規免許の活性化など、暗号資産企業を既存の金融制度に組み込むための動きが具体化しています。
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Source:OCC公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用




























