仮想通貨業界団体TDC「ウォーレン議員は法を誤読」9社の銀行免許承認を擁護

仮想通貨業界団体TDC「ウォーレン議員は法を誤読」9社の銀行免許承認を擁護

この記事の要点

  • TDCがOCCの仮想通貨銀行免許承認を擁護、ウォーレン議員に反論
  • リップルやコインベース含む9社承認拡大、米銀行参入巡る議論が拡大
目次

「国法銀行法を誤読」TDCがウォーレン議員に反論

米仮想通貨業界団体「デジタル商工会議所(The Digital Chamber、TDC)」は2026年5月26日、米OCC(米通貨監督庁)のジョナサン・グールド長官宛てに書簡を送付しました。

同書簡は、エリザベス・ウォーレン上院議員が5月18日付でグールド長官宛てに送付した批判書簡への反論として提出されたもので、仮想通貨関連企業に対する国法信託銀行免許の承認を支持する立場が示されています。

TDCのコディ・カーボンCEOは、ウォーレン議員による「権限逸脱」との指摘について、国法銀行法とOCCの免許付与権限を誤読していると反論し、規制当局側の判断を擁護しました。

今回の書簡応酬では、OCCが承認・審査を進めている仮想通貨関連9社の扱いに加え、仮想通貨企業による米銀行業界参入の法的位置付けや、連邦監督権限の範囲を巡る議論にも改めて視線が向けられています。

OCC承認9社に拡大、仮想通貨企業の銀行参入巡り論争

サークル・リップル含む9社、OCC承認の対象拡大

2025年12月12日付で条件付き承認を受けた5社には、Circle(サークル)系、Ripple(リップル)、BitGo(ビットゴー)、Fidelity(フィデリティ)、Paxos(パクソス)が並んでいます。

その後、2026年に入ると、Stripe系のBridge、Protego(プロテゴ)、Crypto.com(クリプト・ドット・コム)の親会社、Coinbase(コインベース)も対象に加わり、OCCによる承認・審査対象は計9社へ拡大しました。

最初の5社に対する条件付き承認は、OCCが2025年12月12日付で公開したプレスリリースで明らかにされ、その後の関連企業を含む承認も段階的に進められてきました。

OCCの公開リストによると、現時点では計14社の仮想通貨関連企業が免許申請を提出しており、その中にはトランプ家関連のWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・フィナンシャル)も含まれることが確認されています。

さらに、Kraken(クラーケン)の親会社Payward(ペイワード)も審査対象に含まれており、国法信託銀行免許を巡る申請の流れは、仮想通貨取引所運営企業にも及んでいます。

「法定範囲を超える活動」ウォーレン議員が批判

書簡応酬の発端となったウォーレン議員の5月18日付書簡では、OCCによる仮想通貨企業9社への国法信託銀行免許の承認・条件付き承認について、国法銀行法に違反する可能性があるとの見解が示されていました。

同議員は、これらの企業が法律で認められた限定的な活動範囲を超える業務へ踏み込もうとしていると主張し、承認過程にホワイトハウス側の影響が及んだ可能性にも言及しています。

これに対しTDCのカーボンCEOは、米国連邦法12 U.S.C. 27(a)に基づき、OCCには信託会社業務に限定される企業へ免許を付与する権限があると反論しました。

書簡内では、ATMからインターネットバンキングに至るまで金融技術の変化に応じてOCCが免許制度の適用範囲を広げてきた経緯にも触れられており、デジタル資産分野への対応もその延長線上にあると説明されています。

TDC「自ら連邦監督下に」AUA7兆ドル根拠

カーボンCEOは免許権限を巡る議論に加え、米議会が2025年に超党派で可決した米国ステーブルコイン国家革新誘導確立法「GENIUS(ジーニアス)法」を引き合いに出し、OCCの今回の判断は立法趣旨に沿ったものだと主張しました。

TDC側はまた、OCC監督下にある無保険国法信託銀行が、2025年12月31日時点で運用資産(AUA)合計7.0兆ドル(約1,110兆円)を抱えていると説明しています。

このうち1.7兆ドル(約270兆円)がカストディ・保管口座、5.3兆ドル(約840兆円)が信託口座に分類されており、OCCには信託銀行監督に関する十分な実績が蓄積されているとしています。

また、国法信託銀行は預金保険対象の預金受け入れや融資業務を行わないため、銀行システム全体へ及ぶ波及リスクは限定的だとの見解も示されました。

カーボンCEOは、これらの企業は連邦監督を回避しようとしているのではなく、自ら連邦監督下へ入るために申請を行い、OCCの検査権限や遵守義務を受け入れていると説明し、ウォーレン議員による「規制回避」との指摘を否定しています。

OCC最終規則公表、審査中14社の判断に視線

米国では、OCCが2026年3月2日に国法銀行免許に関する最終規則を公表するなど、仮想通貨企業による銀行業界参入を巡る制度整備が加速しています。

仮想通貨カストディを巡っては、FRB(米連邦準備制度理事会)も銀行参入障壁の見直し方針を示していることがすでに報じられており、米国では銀行による仮想通貨関連業務を巡る制度整理が並行して進められています。

ワールド・リバティ・フィナンシャルやPaywardを含む14社への審査結果に加え、ウォーレン議員ら議会側による追及が今後どのように展開するのか、仮想通貨企業の銀行参入を巡るOCCの実務判断にも注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.19 円)

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Source:TDC書簡
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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