茨城県つくば市は、ブロックチェーン技術とマイナンバーカードを活用した投票制度を日本で初めて実施します。このシステムは「パイプドビッツ」や「VOTE FOR」という会社が協力して開発に取り組んでおり、投票内容の改ざん防止や秘匿性の確保などが期待されています。
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つくば市は、『超スマート社会』の実現に向けて人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ解析などの最先端技術を用いた実証実験を支援する「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」に取り組んでいます。ブロックチェーン技術とマイナンバーカードを用いたネット投票システムは、この実証実験にエントリーした企画提案の最終審査で導入されます。
本投票は2018年8月28日に実施され、期日前投票は2018年8月20日から8月24日にかけて行われます。投票に参加するためにはマイナンバーカードを持っている必要がありますが、つくば市に住んでいない人でも参加することができます。なお、投票に参加するためにはマイナンバーカードの署名用パスワードの入力が必要であるとされています。
ブロックチェーン技術を活用する目的についてつくば市は、『投票内容の改ざん防止や秘匿性を確保し、適正かつ効率的な投票の実現を測る
』と説明しています。
この投票システムの開発を手がけている「VOTE FOR」によると、今回の投票は
1.投票所に設置されているカードリーダーにマイナンバーカードをセット
2.認証画面に進んで、電子証明書の署名用パスワードを入力(本人確認)
3.投票画面に進んで、事前提案を選択して投票する(1人1票、1回のみ)
という3つのステップで完了すると説明されています。
VOTE FORは、今回の投票システムではマイナンバーカードを使用して本人確認を行なっているものの、たとえシステムの管理者であっても投票者の情報と投票内容を紐づけて見ることはできないようにしているとも説明しています。
ブロックチェーン技術を活用した投票システムは、大統領選挙などにも利用されようとしており、すでに複数の国で導入に向けたテストなどが行われています。このような取り組みについては未だに多くの議論が交わされていますが、このようなプロジェクトは今後も増えてくることが予想されます。
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