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ブロックチェーンを使った資産管理に向け「NASDAQ」らと提携:シンガポール金融管理局


シンガポール(Singapore)の金融管理局(MAS)は、デジタル資産での決済を効率化させることを目指して、シンガポール証券取引所(SGX)やAnquan(アンクアン)、Deloitte(デロイト)、NASDAQ(ナスダック)など複数の企業を提携したことを2018年8月24日に発表しました。このプロジェクトでは、ブロックチェーン(Blockchain)技術を活用して資産や証券の移転作業の効率化を測ります。

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NASDAQら4つの機関と協力

事実上シンガポールの中央銀行にあたる「MAS」は、分散型台帳技術(DLT)を銀行間決済に活用してシンガポール・ドル(SGD)をトークン化するための実証実験である「Project Ubin(プロジェクト・ウビン)」の一貫として、
・シンガポール証券取引所(SGX)
Anquan(アンクアン)
Deloitte(デロイト)
NASDAQ(ナスダック)
と提携したことを発表しました。

MASは今回の提携と通して、資産や証券を効率的に移転するためにブロックチェーン技術を導入すると述べており、Anquan、Deloitte、NASDAQが異なるブロックチェーン上で管理されているトークン化された資産のDVP(*1)を構築するための技術提供を行います。

(*1)DVP(Delivery Versus Payment):証券の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)を同時に実施し、一方が行われない限りもう片方も行われないようにする決済方法

シンガポール証券取引所(SGX)の技術部門の代表者であるTinku Gupta(ティンク・グプタ)氏は、今回のプロジェクトによって「買い手と売り手のどちらもDVPにおけるリスクを抑えることができる」と説明しています。

MASは現在、仮想通貨に友好的な法規制の構築に取り組んでいます。「プロジェクト・ウビン」の成果が実際に現れてくるのは2020年頃になると予想されており、MASのフィンテック部門で最高責任者を務めているSopnendu Mohanty(ソプネン・モハンティ)氏は次のように述べています。

ブロックチェーンの技術は既存の金融取引のあり方を劇的に変化させます。ブロックチェーン間でシームレスに取引することが出来れば、新しいビジネスの機会を開くことができるでしょう。

主要な技術パートナーとの提携は、これを実現することへの商業的な関心の高まりを示しています。

ブロックチェーン技術の活用は世界中で

ブロックチェーン技術を活用した取り組みは、今や毎日世界中で次々に報告されています。この最新技術を活用しているのは民間企業だけでなく、国の政策にも関わりのある機関も含まれています。

仮想通貨に対する意見や考え方については未だに意見が分かれており多くの議論が買わされています。ですが、ブロックチェーンの技術に関しては非常に多くの国や企業がブロックチェーン技術が持つ可能性を認めており、実際に活用していくためのプロジェクトに取り組んでいます。

多くの活用事例を見ておくことによって、ブロックチェーン技術の魅力やどのような技術なのかが少しづつ理解できるようになってくるので、ブロックチェーン技術について、まだイマイチ理解できていないという方は、少しづつ関連ニュースを読んでみるようにしてみてはいかがでしょうか。