韓国最大の病院の1つである明知(ミョンジ)病院は、機械学習プラットフォームを提供している同国のIT企業BICubeと協力してブロックチェーン技術をベースとした「医療情報共有プラットフォーム」を開発することを発表しました。両者は今回の取り組みを通じて、医療機関のデータ共有をより安全にすることなどを目指しています。
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ブロックチェーン関連企業「BICube」とMoU締結
韓国・高陽市にある明知(ミョンジ)病院は、ブロックチェーン関連のIT分野を専門とする「BICube」と協力してブロックチェーン技術を基盤とした「医療情報共有プラットフォーム」の開発に乗り出すことを発表しました。
明知病院は韓国最大の病院の一つとして知られており、高陽市徳陽区エリアに位置する唯一の総合病院でもあります。明知病院と協力してプラットフォームの開発に取り組む「BICube」は、高速かつスケーラブルな機械学習プラットフォームを提供している韓国のIT企業として知られています。
2018年11月12日、両機関は韓国初となるブロックチェーン技術を用いた病院間での「医療情報共有プラットフォーム」を協力して開発していくことを記した覚書(MoU)を締結しました。
医療機関のデータ共有に「安全性」を
明知病院が公開した公式発表では、今回の提携の目的は「パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせた”ハイブリッドクラウド・プラットフォーム”を構築すること」だとされており、医療機関で使用する医療データをクラウドを介して共有する過程に”ブロックチェーン技術”を組み合わせることによって、オンライン医療情報共有システム上の安全性を確保すると説明されています。
この”ハイブリッドクラウド・プラットフォーム”は、データを一元的に格納することなく、患者からの許可を受けて他の医療機関と機密データを共有することを可能にします。明知病院は今回の発表の中で、2019年度にはサービスの実用化を目指していると述べており、すでに様々な脆弱性チェックを実行していると説明しています。
明知病院の院長であるキム・ヒョンス氏は、ブロックチェーンベースの医療情報共有システムが実用化されることによって、安全性を確保しつつ不必要な行政手続きを省略し、薬の副作用やアレルギーなどにも迅速対応することができる可能性があると語っています。
またBICubeの代表を務めているギム・ミンギョン氏は『ブロックチェーンと医療情報プラットフォームを組み合わせた医療サービスは安全性を基本とする迅速な医療情報共有・伝達を可能にし、患者はもちろん、医療機関の両方にとっての大きな助けとなるだろう』と語っています。
また明知病院は「BICube」との協力を通じて、看護師の「業務補助ロボット」の開発を始めとする様々な医療サービスに取り組んでいく計画であることも明かしています。
ブロックチェーン技術は「美容医学」でも
韓国では、美容医学などの分野でもブロックチェーン技術が積極的に活用されています。美容整形の分野で世界中から注目を集めている同国では、一部の違法行為によって信頼が失われつつある「美容整形業界」の信頼を取り戻すことを目指すプロジェクトなども立ち上げられています。
「2020年キャッシュレス化計画」や韓国の首都ソウルで進む「独自の仮想通貨発行計画」など、ブロックチェーンや仮想通貨を積極的に取り入れていく姿勢を見せている韓国の取り組みには今後もさらに注目が集まります。