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国際問題解決に向けブロックチェーン企業6社に「10万ドル」を投資|UNICEF


子供たちのための慈善活動に取り組んでいるUNICEF(ユニセフ/国際連合児童基金)は、国際的な問題を解決するために6つのブロックチェーン企業に最大10万ドル(約1,130万円)の資金を投資していくことを発表しました。これらの企業には通信事業者や医療関連事業者、サプライチェーンマネジメントなどを扱う会社が含まれており、1年後にはそれぞれの分野の問題解決に役立つアプリケーションが公開される予定となっています。

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医療・通信・資金調達など「6社」を支援

UNICEF(ユニセフ/国際連合児童基金)は、2018年12月10日にブロックチェーン技術を用いて国際的な問題を解決するために6つのスタートアップ企業に最大10万ドル(約1,130万円)の資金を投資することを発表しました。

ユニセフはこれまでにも20社の新興企業に投資を行っており、今回新たに投資を受けることが決定した6つの企業もこれに加わることになります。今回投資対象となった企業6社は、世界50か国に点在する100社以上の中から選出されており、資金調達や医療、通信事業といった複数の分野にまたがる次の6つの企業で構成されています。

Atix Labs(アルゼンチン)

アルゼンチンを拠点とする「Atix Labs」は、中小企業が資金調達を行い、その資金の使用場所とそれによってもたらされる影響を測定するためのトレーサビリティープラットフォームを開発します。

Onesmart(メキシコ)

メキシコを拠点とする「Onesmart」は、新興市場における資金の不正使用に対処し、国家が提供する社会サービスを子供や若者に確実に提供するためのプロトタイプのブロックチェーンアプリケーション開発に取り組みます。

Prescrypto(メキシコ)

同じくメキシコを拠点とする「Prescrypto」は、ブロックチェーン技術を用いた「電子医療処方箋」を作成、送信、管理する医療アプリケーションを提供しています。

「Prescrypto」は、患者に共通する病歴を見つけ出すことができるデジタルソリューションを提供し、電子処方箋が欠如している発展途上国の治療レベルを向上させます。

Statwig(インド)

インドを拠点とする「Statwig」は、IoTとブロックチェーン技術を用いたサプライチェーン管理システムを提供しています。

「Statwig」は、自社の技術を応用したサプライチェーン管理を強化することができるシステムを通じてワクチンを効率的に供給するためのブロックチェーンソリューションを提供することを予定しています。

Utopixar(チュニジア)

チュニジアを拠点とする「Utopixar」は、アプリ開発のスタートアップ企業です。

「Utopixar」は、コミュニティや組織向けに開発された意思決定と価値移転を促進するためのソーシャルコラボレーションツールを提供します。

W3 Engineers (バングラデシュ)

バングラデシュを拠点とする「W3 Engineers」は、独自ブランドを構築する企業の支援を行なっている企業であり、最新テクノロジー、独創的なデザイン、最適化されたビジネス戦略を用いたWebアプリケーションの開発やコンサルティングを行っています。

「W3 Engineers」は、SIMカードやインターネット接続を使用せずにオフラインで繋がりを持つことができるモバイルネットワーキングプラットフォームを通じて、難民と移民コミュニティ内の繋がりを向上させます。

ブロックチェーンで「より良い世界」を構築

ユニセフ・イノベーションの主任顧問であるChris Fabian(クリス・ファビアン)氏は、今回選ばれた6社の選考理由について次のように述べています。

ブロックチェーン技術はまだ初期段階にあるため、多くの実験や失敗を繰り返し、どのような場面でどんな風に活用していけるかを学んでいく必要がありますが、私たちはこの技術を活用することによって、より良い世界を創造していくことができます。

ユニセフ・イノベーション・ファンドが投資しているのはまさにその段階です。私たちが資金調達や技術的なサポートを提供し、恵まれない人々に焦点を当てることによって、可能な限り公正かつ公平な方法で技術の成長・成熟を支援することができます。

ユニセフは、これらの投資は組織を効率化するためにスマートコントラクトを使用して、分散化された意思決定プロセスを作成し、国連とユニセフが活動する国々で分散型台帳技術の知識と理解を育むための大規模なプロジェクトの一部であると説明しています。

これらの取り組みの一環としてユニセフは、それぞれのプロジェクトに技術的支援を行い、パートナー企業や専門家たちとのつながりを持つための機会を提供します。支援を受ける各企業は今後12ヶ月以内にオープンソースのプロトタイプ・ブロックチェーンアプリケーションを公開することを予定しています。

ユニセフはこれまでにも仮想通貨を通じた慈善活動に取り組んでおり、仮想通貨による寄付金の受け入れやマイニングを通じて募金を集めるプロジェクトなども行ってきました。ブロックチェーン技術を最大限に活用して社会問題に取り組んでいるユニセフは今後もチャリティー分野におけるブロックチェーンの活用をリードしていくことになるでしょう。