仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

ブロックチェーンの需要増加を受け「技術者育成コース」を開設|Singapore Polytechnic


シンガポールの高等教育機関である「Singapore Polytechnic(シンガポール・ポリテクニック/SP)」は、ブロックチェーン技術者を育成するための初心者・中級者向けプログラムである「Fintech-Blockchainコース」を新しく立ち上げることを発表しました。

こちらから読む:シンガポールで需要高まる「ブロックチェーン技術」とは

シンガポール・ポリテクニックとは

Singapore Polytechnic(シンガポール・ポリテクニック/SP)は、シンガポールの高等教育機関です。1954年10月27日に設立されたSPは、同国で最初に設立されたポリテクニック(*1)でもあります。

(*1)ポリテクニック:職業教育などの”実学”を中心とした教育課程が編成されている高等教育機関の一種。日本には「ポリテクニック」と呼ばれる教育機関はないものの、職業訓練施設は愛称として「ポリテク」と呼ばれる。

テクノロジー、科学、商業、芸術に関する研究や教育を行っている同大学は、10年間の正規教育を受けた学生の大部分を受け入れており、60年以上の長い歴史の中で20万人を超える卒業生を社会に送り出しています。

現代社会でブロックチェーン技術者が不足していることなどを受けたシンガポール・ポリテクニックは、需要を満たすために初心者・中級者向けの「フィンテック・ブロックチェーンコース」を開始することを発表しました。

初心者・中級者向け「Fintech-Blockchain」コース

シンガポール・ポリテクニックが新たに発表した「フィンテック・ブロックチェーン」コースは、”初心者向けコース”と”中級者向けコース”の2種類に分かれています。

初心者向けコース

初心者向けコースは、「ブロックチェーンやビットコインの基本的な知識や仕組み」や「仮想通貨やスマートコントラクトの作成方法」といった、基本的な内容から学ぶことができるコースとなっており、金融サービス業界に「ブロックチェーン専門家」として参加するための基礎知識を身につけることができるカリキュラムとなっています。

カリキュラムの具体的な内容は、
・ブロックチェーンとは
・ビットコインの仕組み
・ビットコイン取引の内容
・ブロックチェーンのエコシステム
・イーサリアムとスマートコントラクト
という5つのトピックに分類されており、これらのトピックに複数の授業が含まれている形となっています。

またコースに参加するための最低条件も設定されており、
・Javascriptのようなプログラミング言語の基本的な理解
・情報技術、ビジネスなど特定の学位の取得
・必須のオンラインテストで合格点75%を達成
がコースにエントリーするための最低条件であると説明されています。

中級者向けコース

中級者向けコースは、参加者がブロックチェーンの高度な概念を学び、金融サービス業界の上級ブロックチェーン専門家として上級職に加わることができるように設計されています。

カリキュラム内容としては、
・ハードフォーク、ソフトフォーク
・プルーフ・オブ・ワーク、コンセンサス
・イニシャル・コイン・オファリング(ICO)
・エンタープライズブロックチェーン
・ブロックチェーンソリューションの設計
といった内容となっており、エントリー条件は『Javascriptのようなプログラミング言語の概念を深く理解している必要がある』と説明されています。

コースは全部で「120時間」

これらのコースの指導は、シンガポールの「IBMブロックチェーンイノベーションセンター」の研究員である、Ernie Teo(アーニー・テオ)氏が担当します。また一般的な授業は平日の夜3時間にわたってセッションが行われ、毎週土曜日には2ヶ月間に渡って6時間のセッションが行われることになっており、オンライン学習とプロジェクトを組み合わせて、コースは合計120時間行われることになっています。

IT業界で求められる「ブロックチェーン技術者」

「Fintech-Blockchain」コースの立ち上げに携わっている「Token Economy Association」の会長Chia Hock Lai氏は、『両方のコースを修了した人は、ブロックチェーン開発者の仲間入りをするのに十分な能力がある』と述べています。

同氏は、ブロックチェーン技術の需要が高まっている具体的な例として、IT大手である「IBM」や「Mastercard」は、それぞれがブロックチェーン関連技術に関する80以上の特許を申請しているものの、それらのブロックチェーン・プロジェクトを発展させていくための十分な才能を持った技術者を見つけ出すのに苦労していると説明しています。

ブロックチェーン関連の求人が急増していることは最近の報道でも頻繁に報告されており、IBMだけでもブロックチェーン技術者を受け入れるための200以上の”空きポジション”があるとも報告されています。現時点でも非常に多くの企業がブロックチェーン技術に関する特許を申請していることを考えると、ブロックチェーン技術者がこれからさらに求められていくことはほぼ間違いないと考えられます。

日本でも同様にブロックチェーン技術者を求める企業は増加してきており、技術者を育成するための取り組みも複数開始されています。将来のために新たな専門知識を学ぼうと考えている方は「ブロックチェーン技術」について学ぶことも検討されてみてはいかがでしょうか?

「Singapore Polytechnic」や初心者・中級者向け「Fintech-Blockchain」コースの詳細は以下のリンクからどうぞ
>Singapore Polytechnicの公式サイトはこちら
>初心者向けコースの詳細はこちら
>中級者向けコースの詳細はこちら


ブロックチェーン・オンライン学習プログラムはこちら