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ロシア:合法化されたビットコインATM「51台」に|規制明確化で倍増の可能性も


ビットコインATMの設置台数は2019年現在も順調に増加を続けており、アメリカやオーストラリアでは今後もさらに増加していくことが予想されています。仮想通貨に対して慎重な姿勢を見せているロシアでは、まだそれらのマシンの導入は進んでいないものの、適切な規制環境が整えられることによって、将来的には急速に導入が進む可能性があると言われています。

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ロシアの「ビットコインATM」事情

ビットコインATMに関する情報を公開している「Coin ATM Radar」のデータによると、ビットコインATMの設置台数は1年間で2倍に増加しており、1日あたり約6台のマシンが新たに設置されていると報告されています。2019年2月時点で世界に設置されているビットコインATMの台数は「4,273台」とされており、これらのほとんどは北米とヨーロッパに設置されていることがデータとして示されています。

世界各国の「ビットコインATM」設置台数(画像:Coin ATM Radar)

ロシアでは昨年、警察による「ビットコインATMの押収」なども行われていたものの、同国の「仮想通貨&ブロックチェーン協会(RACIB)」とIT企業「Nanobit」が最近行なった調査によると、現在ロシアはビットコインATMの設置台数が多い上位10カ国の中に含まれており、法律で正式に認められたビットコインATMの台数は「51台」となっています。

ビットコインATMの大半は「大都市」に

これらの仮想通貨ATMの設置場所は、
・モスクワ:9台
・オムスク:5台
・ロストフ:5台
・ヴォロネジ:3台
・クラスノヤルスク:3台
であると伝えられており、大半はロシアの大都市に設置されていると報告されています。

主流メーカーは「RusBit」

ビットコインATMの製造メーカーの割合は、
・RusBit:47%
・Investcoin 24:28%
・BTC O Matic:19%
となっており「RusBit」が市場シェアの大半を占めていることが報告されています。

2ヶ月前までは、ロシア国内で合法的に運営されていたビットコインATMの台数は75台とされていましたが、2018年9月にロシア連邦中央銀行からの命令で警察が多数のビットコインATMを押収したことによってその数は減少しています。なお、押収されたATMのうち22台は「BBFPro」と呼ばれるメーカーのものだったと伝えられています。

売上高は今ひとつ

報告によると、ロシアに設置されているビットコインATMの1ヶ月あたりの平均売上高は約27,000ドル(約295万円)、1年間の平均売上高は約320,000ドル(約3,500万円)と推定されており、各ATMの平均利益は1ヶ月あたり約1,800ドル(約20万円)とされています。

オーストラリアでビットコインATMを展開・運営している「Auscoin」は、2018年の毎週の売上高が50万豪ドル(約3,920万円)にのぼっていたことを報告しているため、これに比べるとロシアのビットコインATMはあまり多くの売上をあげていないことがわかります。

仮想通貨ATMの導入を妨げる「3つの要因」

ロシアの仮想通貨専門家は「ロシアには「仮想通貨ATM市場の成長」を妨げる3つの要因がある」ということを語っています。

中央銀行による「厳しい取り締まり」

ロシア中央銀行による取り締まりは、仮想通貨ATMの普及を制限する主な要因の一つとなっています。中央銀行は、仮想通貨に関する明確な規制が定められていない状況下で国境を超えた資金移動を可能にした場合、違法行為などが増加してしまう可能性があることなどを懸念しており、昨年押収された仮想通貨ATMに関しても『ATMの確認には最低でも6ヶ月が必要であり、確認が完了するまではATMを返却することはできない』として厳しい対応を取っています。

高額な本体価格

仮想通貨ATMそのものの本体価格が高額であることも大きなハードルの一つとなっています。これらのマシンの価格は3,000ドル〜13,000ドル(約33万〜142万円)であると言われていますが、ビットコインATMの盗難や破損などの事件も報告されているため、これらの犯罪行為も重要な懸念事項となっています。

仮想通貨規制の欠如

特に重要な問題点としては「仮想通貨業界全体に対する規制枠組みが存在していない」ということが挙げられます。2019年2月時点のロシアの法律では、ビットコインATMを運用することは禁止されていませんが、仮想通貨の法的地位がまだ確立されていないため、主要な仮想通貨ATM企業はロシア市場に参入できていません。

将来的には設置台数「倍増」の可能性

「NanoBit」のITプロジェクト責任者であるAndrei Bedrin(アンドレイ・ベドリン)氏は、ロシア政府が仮想通貨市場の規制を目的とした法律を採用すれば、将来的にビットコインATMの設置台数は倍増する可能性があると語っています。

ロシア財務省が2018年1月に発表した規制法案の草案は現在も審議が続けられており「仮想通貨に関する特定の分野を合法化するように設計された法案」が採用される可能性にも期待が高まっています。草案の原文には過去数カ月間の間で大幅な修正が加えられており、”暗号通貨”などの重要な用語は削除されているものの、その後「デジタル金融資産」の定義は”コイン”や”トークン”をカバーするように広げられているとも報告されています。

アメリカなどでは、ここ最近で「ビットコインATM」や無人販売機「キオスク」などの導入が加速しており、一般的な食料品店などでも気軽にビットコインが購入できるようになってきています。ロシアで仮想通貨関連の規制が整えば、アメリカに続いてロシアでもビットコインATMの導入が加速する可能性があるとも考えられます。