ブロックチェーンベースの不動産取引プラットフォームを提供している「Blockimmo(ブロッキモ)」は、今回が初となる「トークン化された不動産の取引」を無事に完了させたことを2019年3月1日に発表しました。この取引はスイスを拠点とする企業2社の協力によって実現しています。
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「トークン化された不動産」投資家4人が購入
ブロックチェーン技術を用いた初めての不動産取引は、ここ最近で「クリプトバレー」とも呼ばれるようになったスイスのツーク州に本社を構える「Blockimmo(ブロッキモ)」のほか、独自トークン発行サービスを手がける「Swiss Crypto Tokens(スイス・クリプト・トークン)」や、不動産テック企業「Elea Labs(エレア・ラブス)」の協力によって実現しています。
取引が行われた物件はツーク州にある「18件のアパート」と「1店舗のレストラン」だと伝えられており、物件の資産価値の20%にあたる約300万スイスフラン(約3億3千万)がトークン化され、4人の投資家に売却されたと報じられています。
「Elea Labs」は、それぞれの物件に関する情報を記録し、より透明性を高めるためのID情報である「プロパティDNA」によって不動産情報を提供しており、「Swiss Crypto Tokens」は価格変動のリスクを回避するために自社で発行しているスイスフラン(CHF)と価格が連動するステーブルコイン「CryptoFranc(XCHF)」を提供しています。
これらの取引内容は「Blockimmo」のプラットフォームを使用することによって、イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上に記録されています。
不動産取引の「コスト削減・簡略化」図る
「不動産のトークン化」と「ブロックチェーン上の取引」は、わずかな金額で不動産を取得する機会を与えると伝えられており「不動産業界の透明性の向上」や取引プロセスの「コスト削減・簡略化」などが期待されています。
Blockimmoは現在、パブリッククラウドセールを通じて販売を行うするためにより多くの不動産をトークン化していくことを計画しており、今年の第2四半期には全ての不動産トークンが規制に準拠した取引所に上場する予定だと伝えられています。
また、Blockimmoのプラットフォームでは共同不動産投資もできるようになっており、少額の1,000スイスフラン(約11万円)から始めることができるとされています。
ブロックチェーン技術を不動産に役立てる試みはその他の国や地域でも始まっています。これから実際に不動産のトークン化が進むことによって、今後はより多くの地域でこれらの技術が活用されていくことになると考えられます。