インド商工省傘下のコーヒー委員会は、コーヒー農家が適切な報酬を受け取れるようにする事を目的としたブロックチェーンベースのB2B(電子商取引)向けアプリのβ版を発表しました。このアプリによりサプライチェーンの透明性の向上と仲介業者の削減が期待されます。
こちらから:コーヒー農家への適切な報酬を実現する「ブロックチェーン技術」とは?
このアプリの構想は昨年9月に初めてインドの商工省により発表されたもので、商務長官Anup Wadhawan(アナップ・アダワン)氏と「国際コーヒー機関(International Coffee Organization)」のエグゼグティブ・ディレクターであるJose Dauster Sette(ジョセ・ドスターセッテ)氏が設立したプロジェクトの一環によるものとなっています。
なお、アプリは農業用商品管理プラットフォーム「エカ・ソフトウェア・ソリューション(Ekta Software Solutions)」と共同で開発されました。
インドのコーヒー農家は36万人を超えると言われており、その98%が小規模な農園となっています。今回、開発されたブロックチェーンベースのアプリは、コーヒー農家と購入者を直接結びつけ仲介業者を削減し、コーヒー農家の収入を2倍にまで上げる事が可能だと説明されています。
また「豆からカップまで」のトレーサビリティとサプライチェーンの透明性の向上も可能となり、インド式コーヒーのブランドイメージの信頼を確立する狙いがあるとの事です。
現在、このアプリは限られた生産者や輸入・輸出業者、小売業者が試験運用を行っており、無事成功に至った場合にはインド国内全てのコーヒー業者が利用できる予定となっています。コーヒーは世界中の多くの人々に愛されている飲料で人気の市場です。そのためブロックチェーンで安全性がもたらされれば、コーヒー産業はさらに成長していくことになると予想されます。
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