仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)のCEOであるArthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏は、最近行われたインタビューの中で、今後5年間であらゆる国の政府が「紙幣や硬貨などの現金の使用」を禁止するだろうとの考えを語り、それによってビットコイン(Bitcoin/BTC)などの暗号資産の採用が急速に増加する可能性があることを語りました。
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「紙幣・硬貨の廃止」で人々が気付くこと
仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)のCEOであるArthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏は、仮想通貨情報プラットフォーム「Venture Coinist」の創設者であるLuke Martin(ルーク・マーティン)氏からのインタビューに答えた際に『インドと中国が”紙幣や硬貨などの現金”を使うのをやめる最初の国家になるかもしれない』と語り、現金が使用できなくなることによって、人々は”お金のプライバシー問題”に気付くことになるとの考えを語りました。
ビジョンの観点から言えば、あと5年ほどで金融面におけるプライバシーは失われることになるでしょう。なぜなら、もしあなたが中国に行き、バーで飲み物を購入しようとしてもほとんどの場所では人民元や現金が使えないからです。
あなたは支払いを行うために携帯電話を取り出し、WeChatの決済アプリでバーコードをスキャンします。しかし、これらすべての支払いに関するデータを所有しているのは中央集権型の「Tencent」です。
最後に残されたフロンティアはお金です。私は中国とインドが最初に現金を禁止すると考えていますが、今後5年の間には東西を問わず全ての政府が現金を禁止することになるでしょう。人々はその時に金融分野におけるプライバシーが本当に意味するものとはなんなのかに気付くことでしょう。
インド政府による「高額紙幣廃止」の事例
2016年11月8日、インド政府は同国の高額紙幣である「500ルピー札と1,000ルピー札の使用を明日から禁止する」という緊急声明を発表しました。これは日本で例えるならば『令和になるので明日からは5千円札と1万円札は使えません』と今発表されるようなものです。
この決定は当時のインドに大きな混乱をもたらしたことが報告されており、「自分が溜め込んでいた資産がゴミになった」と思い込んだ高齢女性が自殺してしまう事件なども発生しています。
この決定の主な目的としては「違法取引の撲滅」と「電子マネー決済の普及」が挙げられます。現金を禁止すれば必然的に電子マネーの利用者が増加するため、政府はデジタル化された状態で記録された「お金の流れ」を詳しく確認することができるようになり、不正取引や脱税などを適切に取り締まることができます。
このインド政府の決定は実際に電子取引を急増させることにつながっており、電子決済サービス大手である「Pay TM」は、発表の翌日だけでアプリダウンロード数が200%増加したことを発表しています。
プライバシー問題に伴う「仮想通貨の需要増加」
アーサー・ヘイズ氏は以前から「キャッシュレス化がもたらすプライバシー問題」に関する警告を発しており、キャッシュレス社会が実現した時にはビットコイン(BTC)がプライバシーを保護するための”鍵”になると説明しています。
現在主流の電子マネーの多くは特定の企業が全ての取引情報を管理しているため、それらの企業などは必要であれば「誰が、いつ、どこで、何を、いくらで購入したのか」といった情報は全て確認することができます。これは税金の未払いなどの問題解決に有効な手段であると言えますが、それらの情報をどの企業が管理するのか?といったことに関しては問題が残されており、税金がこのままさらに引き上げられ続けるのであれば、一般の人々にとって”追跡可能なお金”は大きな悩みの種になると予想されます。
実際に現金の使用が完全に禁止された場合には「プライバシーが保護されたお金」の需要が高まることはほぼ間違いないと予想されるため、ヘイズ氏はその時にビットコイン(BTC)などの仮想通貨の採用が指数関数的に進む可能性があると考えています。
現時点の日本では、今のところ現金が廃止される予定はありませんが、キャッシュレス化に向けた取り組みが進められていることは確かであるため、今後5年間で日本でも「紙幣・硬貨の使用」が禁止される可能性はあるとも考えられます。なお、オーストラリアでは、今年の7月1日から1万豪ドル(約78万円)を超える現金での支払いが法律で禁止される予定となっています。
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