カルダノエイダコイン(Cardano/ADA)の発案者であるCharles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏は、アフリカ諸国に住む何十億もの人々に金融サービスを提供することを目的としたカルダノの新しいエンタープライズ向けのブロックチェーンフレームワーク「ATALA(アタラ)」をエチオピア政府と共同で立ち上げたことを発表しました。
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ブロックチェーンフレームワーク「ATALA(アタラ)」
Charles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏がCEOを務めるIOHK(Input Output HongKong)が新しく立ち上げたエンタープライズ向けのブロックチェーンフレームワーク「ATALA(アタラ)」は、新しい製品を実装しようとしている開発者や企業および政府のためのソリューションプロバイダーとして役立つことを目的としています。
「ATALA(アタラ)」は、IBMのブロックチェーン上で使用されているオープンソースのブロックチェーンフレームワークである「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャー・ファブリック)」に似たエンタープライズ向けフレームワークであると伝えられており、特に重要な点は「自治体の通貨」や「サプライチェーン管理システムを必要とする政府」のためのソリューションプロバイダーとなることだと伝えられています。
発展途上国の政府に焦点を当てている「ATALA」は、
・財産登録
・投票システム
・サプライチェーン管理
など、実社会で活用できるようにするためにゼロから構築されています。また、その他のエンタープライズ向けブロックチェーンフレームワークが仮想通貨に依存していないのに対して、ATALAはデジタル通貨の採用に焦点を当てているというのも特徴の一つです。
実用的な「決済通貨」の発行なども
ホスキンソン氏は、ATALAを用いた最初のプロジェクトとして「エチオピア政府と共同で、同国の首都”アディスアベバ”で信頼できる支払い方法を提供するための新しい仮想通貨を開発することを予定している」とも説明しています。
いくつかの覚書が調印されていますが、私たちが構築しようとしている最も顕著なものは、エチオピアの首都「アディスアベバ」のための実用的な暗号通貨です。私たちはエチオピア政府と協力して600万人のユーザーが電気代を暗号通貨で支払うことができる新しいデジタル決済システムを構築しています。
ATALAを最初に使用する国はエチオピアになると考えられるものの、このフレームワークは新しい「スマート経済」を実現するために他のアフリカ諸国にも導入される可能性があると伝えられており、ホスキンソン氏は『偽造品を防止することを目指している有名な靴メーカーとの覚書を締結した』とも語っています。
ブロックチェーン間の「相互運用性」を重視
ATALAのもう一つの目的としては「異なるブロックチェーン間でユーザーの価値をシームレスに移させること」が挙げられています。ホスキンソン氏は、以前から現在のブロックチェーン技術が一般に広く利用されるようになるためには”相互運用性”が必要であるということを語っていました。
異なるブロックチェーンに一定の互換性を持たせることができなければ、ブロックチェーンは単一のチェーン、または単一のユースケースに限られてしまうことになり、競争が続くだけでブロックチェーンの本当の利点を生かすことができません。
このようなことからホスキンソン氏は、異なるブロックチェーンプロジェクトであってもスムーズにそれらの元帳の間でデータや価値を移動できる仕組みが必要であると考えており、IOHKはこのようなことに焦点を当てつつ「エチオピアにおける農業サプライチェーン向けの新しい追跡およびトレーサビリティソリューションの開発」を検討しています。
エチオピア政府と協力して大規模な仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトに取り組んでいるIOHKには、今後も期待が高まります。
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2019年5月2日|カルダノエイダコイン(ADA)の価格
カルダノエイダコイン(CARDANO/ADA)の価格は、先月末に7円台まで下落しましたが、現在はやや回復しており、2019年5月2日時点では「1ADA=7.69円」で取引されています。