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暗号資産「ETF」に対する金融庁・国税庁の見解は?税金制度に関する質問にも返答


金融庁は、2019年5月30日に開かれた参議院の財政金融委員会の中で「日本維新の会」に所属する藤巻健史(ふじまきたけし)議員からの質問に答え、暗号資産(仮想通貨)のETF(上場投資信託)に対する見解を語りました。

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仮想通貨ETFの承認について

「日本維新の会」に所属する藤巻健史(ふじまきたけし)議員は、2019年5月30日に開かれた参議院の財政金融委員会で、海外では「仮想通貨(暗号資産)ETF」が認められていく動きが見られ始めていることをあげ、そのような国々に遅れをとることがないようにすることの重要性を強調しました。

日本では仮想通貨関連の仕組みを整えていく上で、これまでにも複数回発生している「仮想通貨取引所で起きたハッキング被害」のことが頻繁に指摘されていますが、藤巻議員は「“暗号資産ETF”が承認されることによって、仮想通貨が堅固なカストディアンの下で管理され、機関投資家が参入することによって価格が安定し、結果的にハッキングのリスクを下げることができるのではないか?」と主張しました。

これに対して金融庁の関係者は、「暗号資産に関する法制を検討する場で有識者と議論した際に、”ビットコインのようなパブリック型のブロックチェーンは株式とは違ってキャッシュフロー(お金の流れのこと)やフェアバリュー(適正価格)や裏付けとなる資産が必ずしも観念されるものではなく、需要によってだけ価格が変動する。場合によってはフェアバリューがゼロであることも有り得るため、価格が大きく変動するリスクを抱えている”との指摘があったこと」そして「現在の仮想通貨が”過度な”投機対象になっていること」などを説明し、このような状況の中で暗号資産ETFを承認して、一般の人々がより容易に暗号資産に投資できるようにしていくことに関しては、慎重に対応をとっていく必要があるとの考えを語っています。

金融庁側は「暗号資産ETF」に関してもこれまでに語られてきた仮想通貨の複数の問題点が懸念点になっていることを指摘しましたが、これに対して藤巻議員は、”価格変動の幅が大きい”という懸念点に関しては、仮想通貨ETFを採用することによって価格変動幅を抑えることができるのではないか?と指摘しています。

暗号資産ETFは「20%の分離課税」で良いか?

藤巻議員は、「暗号資産ETFを金融庁が渋っているのは法律上の問題で”暗号資産を財産として認めるか”ということが出てくるからなのではないか?ということも質問し、そのような問題があるのであれば、”信託法第2条や投信法施行規則第19条第3項第1号”に「暗号資産」を明記すれば問題は解決できるのではないか?とも指摘しています。

しかし金融庁側は、先述した「フェアバリューがはっきりしていない」などの懸念点があることから、一般の人々に対してこのような資産への投資を簡単に行えるようにすることが望ましいことか?必要であるのか?という点があることを再度説明し、現時点では特定資産に追加することは考えていないと説明しています。

また藤巻議員は「もし仮想通貨ETFができたら”20%の分離課税”という分類で良いか?」ということに関しても質問し、ETFは”外形”で判断すべきものであり、どのような仮想通貨でETFが構成されているかで判断する仕組みにはなっていないため、論理的に考えれば”仮想通貨ETFは20%の分離課税で良い”と考えられるが、それについてはどのように考えているか?との質問も行なっています。

この質問に対して金融庁の関係者は、「現時点では、暗号資産を投資信託法上の特定資産に追加することは考えていないとされているため、現段階で国税当局から税法上の取り扱いについて答えることは差し控えさせていただきたい」と回答しています。

金融庁は今回の委員会でも、
・暗号資産のボラティリティの高さ
・通貨として使用されていないという点
・暗号資産が過度な投機対象となっている点
などに対する懸念があることを繰り返しており、このような理由から仮想通貨ETFなどの導入には慎重に対応していく必要があるとの見解を示しています。これまでのやり取りの中でも仮想通貨の税制を変更する予定などはないことが語られているため、今後も日本では今の状況が維持されることになると予想されます。

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