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日米欧の大手銀行「仮想通貨」発行を計画|ブロックチェーンで海外送金を効率化


日本・米国・欧州の大手銀行が協力して、ブロックチェーン技術を活用した電子通貨を発行し、海外送金を効率化することを計画していることが日本経済新聞の報道で明らかになりました。このデジタル通貨は「USC(ユーティリティ・セトルメント・コイン)」と呼ばれています。

こちらから読む:国内銀行の通貨発行迫る「デジタル通貨」関連ニュース

日米欧の金融機関「14行」が出資

日米欧の大手銀行は、2019年5月に「エフナリティ・インターナショナル」を設立しました。今回明らかにされた電子通貨はこの「エフナリティ・インターナショナル」が発行するものであり、通貨の名前は「USC(ユーティリティ・セトルメント・コイン)」と呼ばれています。

「エフナリティ・インターナショナル」には、
スイス
・UBS(ユービーエス)
・Credit Suisse(クレディ・スイス)
イギリス
・Barclays(バークレイズ)
アメリカ
・State Street(ステート・ストリート)
日本
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
など日米欧の14の金融機関が共同出資していると伝えられています。

ブロックチェーン用いた電子通貨「USC」

「USC(ユーティリティ・セトルメント・コイン)」には、ブロックチェーン技術(分散型台帳技術)が使用されており、顧客から預かる資産が通貨の裏付けになっているとされています。

日本から米国に送金する場合には、
①日本の銀行が中央銀行の当座預金にお金を預ける
②エフナリティがそのお金に対応する「USC」を発行
③「USC」を用いて米国の金融機関が持つ口座とやり取りする
④米国の金融機関は受け取った「USC」に相当する米ドルを顧客口座に入金
といった手順が取られることになります。

一般的な仮想通貨は価格が常に変動していますが、「USC」を用いた場合には為替レートの違いだけが反映されます。「USC」を用いた国際送金では即時決済が可能であるため「お金を送金している間に為替レートが動く」というリスクを抑えることができるとのことです。また、仲介業者をなくすことによって国際送金の取引手数料を減らすことができるとも説明されています。

2020年末には1通貨目を発行予定

エフナリティは「USC」と紐づけられた形の専用口座を各国・各地域の中央銀行に設けることを構想しており、今後は中央銀行との話し合いを本格的に進めて「ドル・ユーロ・ポンド・円・カナダドル」に対応していくことを検討するとともに、2020年末までには1通貨目を発行する予定だとされています。

ビットコイン(BTC)エックスアールピー(XRP)などの仮想通貨は、中央銀行のシステムを介さない国際送金手段として近年注目を集めていますが、「USC」はシステムの効率を高めることによって顧客サービスの向上を図るとされています。

USCは、個人が取引できる通貨ではありませんが、実用化されれば国際送金がより便利なものになると期待されます。


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