三菱UFJ:独自のデジタル通貨「2019年後半」実用化へ|企業のコイン(coin)発行も支援
三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)が開発を進めているブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨「coin(コイン)」が2019年後半に実用化されることが朝日新聞の報道で明らかになりました。元々「MUFGコイン」として開発が進められていたこの通貨は「デジタル通貨のプラットフォーム」として機能していくことなどへの思いも込めて「coin」へと改名されています。
こちらから読む:coinに使用されている「ブロックチェーン技術」とは?
デジタル通貨のプラットフォーム「coin(コイン)」
三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は、2016年の時点からデジタル通貨「MUFGコイン」の実用化に向けた取り組みを進めており、2018年10月にはデジタル通貨の名称が「coin(コイン)」という名前に変更されています。
「coin」は、仮想通貨などに使用されているブロックチェーン技術を用いていることが大きな特徴であり、低コストかつ気軽にお金のやりとりを行うことができるように設計されています。1coinの価値は1円になるように設計されているため、ビットコインなどの仮想通貨で問題視されているボラティリティ(価格変動幅)の問題にも対処できるようになっています。
また「カラードコイン」と呼ばれる機能を重要な特徴の一つとされており、ブロックチェーン技術を用いて企業などが自社の名前をつけたコインを発行し、独自のポイントサービスなどを行うことができるとも説明されています。流通、交通、教育などといった様々な分野の経済圏をコインでつなぐことによって、利用できるデータの量や種類も拡大するとのことです。
このようにデジタル通貨の「プラットフォーム」としての機能性を重視していることも名称変更に関連しているとのことです。
「利用者間での取引」や「割り勘」なども可能
MUFGの社長である三毛兼承氏は、朝日新聞のインタビューに対してこの「coin」を2019年後半に実用化する方針を固めたことを語ったと伝えられています。同氏はデジタル通貨などを用いた新サービスについて『今までにない新しい価値を提供していきたい』とも語ったと伝えられています。
実際に「coin」が実用化されれば、利用者はスマートフォンのアプリを使用して自分の銀行口座に預けられているお金を「coin」に交換して使用することができます。coinでの支払いに対応している店舗で利用できるだけでなく、利用者同士でcoinのやりとりも行うことができると説明されています。
また、大人数で食事をした場合などには「coin」を使って"割り勘"にすることもできるとされており、加盟店で付与される特典ポイントを「coin」で受け取ることもできるとのことです。
日本では、近年キャッシュレス化の勢いが増してきており、最近では「PayPay/LINE Pay/au PAY/Apple Pay」などといった非常に多くの決済方法が存在しています。中央管理されたデジタル通貨、ブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨、ブロックチェーン技術を用いて完全に分散化された仮想通貨、といった様々なお金が存在する今の世の中で、これからどのような通貨が実際に使用されていくことになるのかにも注目です。
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