韓国政府機関である国土交通部は、カナダのテック企業「Graph Blockchain社」と提携し、ブロックチェーン技術を活用してデータを管理する実験に取り組んでいます。これは以前からソウル市が進めている「スマートシティ化」に向けた取り組みの一環として行われるものであり、トラフィックデータをリアルタイムで処理し、視覚化することができるソリューションの開発を目指しています。
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スマートシティ実現に向け「ブロックチェーン企業」と提携
カナダに本社を構えるGraph Blockchain社は「ブロックチェーン技術を用いたデータ管理ソリューション」などを開発しているスタートアップ企業です。
Graph Blockchain社は、韓国の国家行政機関の一つである国土交通部と提携し、韓国の首都ソウル市を「スマートシティ化」するための「ブロックチェーンでトラフィックデータを管理する実験」を開始することを発表しています。この提携では、このプロジェクトを進めるために約55,000カナダドル(約455万円)の契約が結ばれたとも報じられています。
このプロジェクトは「データの保護と合理化」を目的としたものであり、データ管理の基盤には「Graph Blockchain」が提供するブロックチェーンソリューションが使用されています。同社が開発しているブロックチェーンソリューションには、オープンソースのブロックチェーンプラットフォームである「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャー・ファブリック)」が活用されています。
「Graph Blockchain」のブロックチェーンソリューションは、ほぼリアルタイムでトランザクションデータを処理し、データを可視化することができる、透明性が高い改ざん不可能な元帳を作成すると説明されているため、同社の技術を活用することによって、透明性の高い状態で、安全かつスムーズにデータのやり取りを行うことができると期待されます。
ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は、2018年10月にもブロックチェーン産業と教育を促進させるための施策を盛り込んだ「5ヵ年計画」を発表しており、2022年までにブロックチェーンなどの最先端技術を扱うスタートアップ企業に対して約1兆2,000億ウォン(約1,184億円)を投資していく計画なども発表しています。
将来、ソウル市のスマートシティ化が実現すればブロックチェーン技術も開発が進む事になると予想されます。また我々の普段の生活にも利便性をもたらす事が立証されれば、採用もさらに増加していく事でしょう。