仮想通貨ビットコイン(Bitcoin/BTC)に関する詳しい説明を記した世界的に有名な本「Mastering Bitcoin(マスタリング・ビットコイン)」の著者として知られるAndreas Antonopoulos(アンドレアス・アントノプロス)氏は、ロンドンで開催されたセミナーの中で「ビットコインは不要だ」と主張する人々の意見に対する反論を語りました。
こちらから読む:90万円台まで下落の可能性も?「ビットコイン」関連ニュース
「ビットコインは不要」という主観的意見
ビットコイン(BTC)は2009年に初めて利用され始めて以降、非常に多くの人々から支持されており「新しいお金」として大きな注目を集めました。しかし、これまでの金融業界で大きな力を持っていた銀行家の人々や億万長者たちの一部はこの技術に対して批判的な意見を語っており、これまでにも『ビットコインは犯罪者が使用するものであり、世の中に不要なものだ』といった意見が数多く語られてきました。
しかし、アントノプロス氏はこのような意見に反対の声をあげており「“ビットコインは不要だ”という意見は主観的な意見に過ぎない」と語っています。同氏は具体的にビットコインに対して批判的なことでも知られる億万長者のWarren Buffett(ウォーレン・バフェット)氏を例に挙げて次のように説明しています。
ビットコインがあなたの役に立たないからといって、ビットコイン自体が役に立たないという訳ではありません。それは単に”あなたがその分野で特権を持っている”ということです。
私は、ウォーレン・バフェット氏の『私に仮想通貨は必要ない』という意見を聞いた時、彼はそれらを必要としていないので正しいと思いました。彼は何十億ドルも有している老人です。彼は銀行サービスの利用を拒否されたことがあるでしょうか?そんなことはあり得ません。
さらに同氏は、ビットコインに対して批判的なことでも知られる米国の大手金融機関「JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)」のCEOであるJamie Dimon(ジェイミー・ダイモン)氏についても語り、ダイモン氏もバフェット氏と同様に金銭的な問題に悩まされていない人物であるため、仮想通貨を必要とはしないだろうとの見解を語っています。
もちろんJamie Dimon氏も仮想通貨を使用しようとは考えていません。彼は人生で億万長者ではない人と会ったことがありません。
「必要とする人の存在」を認識することの重要性
アントノプロス氏は「すでに大量の資産を保有している人々」と「そうでない人々」の間には明らかな格差があるということを指摘しており、わかりやすい例として次のようなことも語っています。
そのような人々のうちの1人は、最近「スーパーマーケットで人々が物を買うときには”ID”が必要だと思う」とコメントしました。彼らはどのようにしてIDを導入すべきかを話し合っています。
何故だかわかりますか?彼らはスーパーマーケットに行ったことがありません。全部執事がしてくれます。
自分の考えに近い「特定の部分だけ」を見て簡単に排除するのではなく、より広い視点で物事を見た上で判断すべきだと考えているアントノプロス氏は「ビットコインのようなお金を本当に必要としている人がいる」ということをしっかりと認識すべきだと語っています。
オレンジ色の警告灯が何を意味しているかがわからず、道路脇で立ち往生している人と出会ったことがあります。彼らはガソリンを入れる方法を知りませんでした。15歳ではなく30歳です。
誰かが「この技術は必要ない」と語っているのであれば、その人が本当に言っているのは「その人はそれをすでに持っている」ということです。そしてそれが彼らの言う「必要ない」の理由です。
しかし彼らは、それを必要としている人々のことを考えていません。
一般的にビットコインは”投機的な資産”として認識されていますが、深刻なインフレ問題などに直面している国では、誰もが保有することができる”新しいお金”として需要が高まり続けています。自国通貨の価値が安定していて、電子マネーなどサービスが豊富に存在する国では「ビットコインはそれほど必要ない」と考えられますが、世界全体を含めて考えるとビットコインはすでに複数の国で重要な役割を果たしています。
2019年7月27日|ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格は本日27日の午前10時頃に110万円近くまで上昇しましたが、その後19時頃には大幅に下落しており、記事執筆時点では「1BTC=1,040,557円」で取引されています。
ビットコイン(BTC)などの購入は豊富な仮想通貨を取り扱っている仮想通貨取引所Coincheckからどうぞ。