アラブ首長国連邦(UAE)の保健・予防省が、医師・薬剤師・技術者などといった医療専門家の評価情報を保存し、地元の保健当局と共有するためのブロックチェーンシステムを公開したことが「Emirates News Agency」の報道で明らかになりました。
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ブロックチェーンで「医療関連の情報共有」を効率化
アラブ首長国連邦(UAE)の保健・予防省が公開したブロックチェーンシステムは、医師や薬剤師などといった医療関連の専門家が、現地の保険関連当局と情報を共有することができるシステムとなっており、データ共有にかかる時間とコストを削減し、効率とデータの整合性を向上させることができると報じられています。
保険・予防省のサポート・サービス部門に勤めているAwad Saghir Al Ketbi(アワッド・サギール・アル・ケトビ)氏は、このブロックチェーンシステムの開発について次のように説明しています。
保険・予防省は、ブロックチェーンを基盤とした分散型データベースに必要なインフラの開発に成功しました。
第一段階では、医療従事者の評価システムを「公的および民間の保険当局」や「その他関連機関」とリンクさせ、医療専門家のポートフォリオにアクセスできる単一のデジタルプラットフォームを作成します。
UAEは、”2021年までに政府取引の50%をブロックチェーンで処理すること”を目的とした「UAEブロックチェーン戦略2021」と呼ばれるプロジェクトに取り組んでいますが、同氏は今回のプロジェクトもこの取り組みの一環であると説明しています。
また、同省の情報技術部長であるMubaraka Ibrahim(ムバラカ・イブラヒム)氏は『ブロックチェーン技術は、”保存されたデータを変更することができない”といった、様々な利点と長所を提供する』と語っています。
ブロックチェーン技術はデータ情報の検証を行う際にも役立てることができるため、ヘルスケアサービスの分野に高い透明性と信頼性を提供することができます。
記録されたデータは変更することができないため、全ての医療提供者は信頼できる情報にアクセスして適切な決定を下し、ワークフローを電子的に自動化することができ、顧客と従業員のエクスペリエンスを改善し、運用パフォーマンスを向上させることが可能です。
保険・予防省は、ビッグデータ管理、予測モデル、ブロックチェーン技術を活用した「eヘルスサービス」を開発し、ヘルスケアの品質、安全性、効率を改善する計画があることも明らかにしています。