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Libraよりも「監視外の仮想通貨」を警戒している|スイス規制当局の責任者が発言


スイス金融市場調査局(FINMA)の責任者であるMark Branson(マーク・ブランソン)氏が「仮想通貨Libra(リブラ)よりも”当局の監視外で密かに進行している仮想通貨プロジェクト”のことを警戒している」と語ったことがロイターの報道で明らかになりました。同氏は「私たちはLibraのようなプロジェクトを妨げるためにいるわけではない」と語っています。

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未知のプロジェクトの「急速な発展」を懸念

仮想通貨Libra(リブラ)に対しては、世界各国の規制当局や政府関係者から批判的な意見が相次いでいますが、スイスの金融規制当局である「スイス金融市場監督機構(FINMA)」は、Libraに対して否定的な考えは有していないようです。

ロイターの報道によると、FINMAの責任者であるMark Branson(マーク・ブランソン)氏は、Libraプロジェクトよりも「監視の外で仮想通貨プロジェクトが開発されること」を懸念していると語ったとされています。

私は、金融システムのどこか片隅で開発されるプロジェクトがサイバー空間で広がり、止めれられなくなることを強く懸念しています。

Libraの運営主体である「リブラ協会(Libra Association)」はスイスの都市ジュネーブに本拠地を構えているため、FINMAが定める規制を遵守する必要がありますが、Libra協会はこれまでの発表の中でFINMAの規制に基づいた上で”決済サービス提供者”としてのライセンスを取得していく意思を語っているため、FINMAとしてはルールに基づいてサービスを提供しようとしているLibraをそれほど懸念していないと考えられます。

仮想通貨Libraには「中立な立場」で対応

ブランソン氏は、Libraには厳しい”マネーロンダリング防止法”に加えて、銀行に適用されるのと同じ厳格な規制の下でサービスを提供することが求められているものの、必要以上に余計なハードルをLibraに課すようなことはしていないと説明しています。

私たちはそのようなプロジェクトを不可能にするためにここにいるのではありません。「同じリスクには同じルールを適用する」という考え方でオープンな姿勢で対応します。われわれの規則と基準は交渉の余地がありません。

Libraに対しては現在も他方から様々な意見が寄せられているため、Libra協会に参加している企業からもその将来を不安視する意見が多数出ていると報告されていますが、FacebookやLibra協会の幹部などは、今後も現在求められている規制に対応しながら2020年の公開に向けて取り組んでいく意思を語っています。