韓国の大手仮想通貨取引所「Upbit(アップビット)」で、合計600億ウォン(約55億円)相当の異常な出金が行われたことが明らかになりました。同取引所では現在、仮想通貨の入出金が一時的に停止されており、仮想通貨業界では「ハッキングの可能性がある」として不安が高まっています。
イーサリアムなど「複数の仮想通貨」で異常送金
韓国の情報筋によると、2019年11月27日の午後2時16分に「Upbit(アップビット)」のウォレットから約600億ウォン(約55億円)に相当する仮想通貨が匿名ウォレットに出金され、仮想通貨の入出金が一時中止されたと報告されています。
最初は「560億ウォン相当のイーサリアム(ETH)が出金されており、この時点で1次点検のアナウンスが行われています。しかしその後は「40億ウォン相当のビットトレントトークン(BTT)」が出金されており、2次点検のアナウンスが行われたと報告されています。
大口送金をトラッキングするBOT「Whale Alert」の報告では、ETHが送金された後に約17件の大口取引が行われたことが報告されており、以下の8銘柄が送金されていると報告されています。
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・トロン(Tron/TRX)
・ステラ(Steller/XLM)
・イオス(EOS/EOS)
・プンディエックス(PundiX/NPXS)
・ステータス(Status/SNT)
・ビットトレントトークン(BitTorrent Token/BTT)
・オミセゴー(Omisego/OMG)
この大規模な送金に関しては「取引所側がコールドウォレットに送金した可能性がある」とも言われているものの、取引所が大規模な送金を行う場合には事前にユーザーに通知することを報告するのが一般的であるため、今回の件に関しては「ハッキングされた可能性がある」と予想されています。
記事執筆時点では「Upbit」からの正式アナウンスは行われていないものの、仮想通貨業界では今回の件を不安視する意見が多く出ています。この件に関しては現在、韓国インターネット振興院(KISA)などの機関が調査を進めているとのことです。