フランスの中央銀行である「フランス銀行」は2020年5月20日に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタルユーロ」のテストに成功したことを発表しました。
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ホールセール型の「デジタルユーロ」をテスト
フランス銀行は2020年3月時点で「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」のテストを開始したことを発表していましたが、今回の発表では「デジタルユーロ」のテストに成功したことが報告されています。
このテストでは「ブロックチェーン上でデジタル化された証券の決済」に関する実験が2020年5月14日に実施されており、実験にはフランスのメガバンクの1つである「Societe Generale(ソシエテ・ジェネラル)」が参加したと報告されています。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)を大きく分類すると「一般消費者が日常的な取引で使用する”リテール型”」と「銀行などといった金融機関間の資金決済を目的とした”ホールセール型”」に分けられますが、今回のテストでは”ホールセール型”のデジタル通貨を想定したテストが実施されています。
具体的には、ブロックチェーン技術を用いて4,400万ドル(約47億円)相当の債券がセキュリティトークンとして登録され、ソシエテ・ジェネラルが「デジタルユーロ」を用いてトークンを購入したと伝えられています。
フランス銀行は今後も引き続きテストを実施することを予定しており、「中央銀行デジタル通貨を用いた銀行間証券取引の実現可能性」を実証し、「他の中央銀行デジタル通貨に対する支払い」や「他のデジタル資産に対する支払い」などについてもテストを進めていくとされています。