韓国のインターネットサービス大手「Kakao(カカオ)」のパブリックブロックチェーンプロジェクトである「Klaytn(クレイトン)」は、2020年6月3日にスマホ向けメッセージアプリ「カカオトーク」で利用することができる仮想通貨ウォレット「Klip(クリップ)」を正式にリリースしたことを発表しました。
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Klip(クリップ)とは
Klaytn(クレイトン)が新たにリリースした「Klip(クリップ)」は、韓国の人口の90%以上が使用しているモバイル端末向けメッセージアプリ「Kakao Talk(カカオトーク)」で利用することができる仮想通貨ウォレットです。
「11種類の仮想通貨」と「多数のNFT」をサポート
このウォレットでは、Klaytnのブロックチェーン技術を基盤として構築されたアプリで発行されている仮想通貨を保管することができ、2020年6月3日時点では「KLAY、BOX、BPT、PIB、HINT、ATT、TEMCO、BNS、PXL、ISR、COSM」という合計11種類の仮想通貨と多数のNFT(代替不可能なトークン)をサポートしており、今後は対応通貨をさらに拡大していく予定だと報告されています。
「カカオトークアカウント」で送受信可能
Klip(クリップ)は、ブロックチェーンや仮想通貨に関する知識を持っていない人で簡単に利用できるように「使いやすさ・セキュリティ・拡張性」などに重点を置いて設計されているため、複雑なウォレットアドレスではなく”カカオトークのアカウント情報”を使用してデジタル資産を送受信できるとのことです。
「高速・低コストな送金」と「鍵管理サービス」
また、デジタル資産の送金は一般的な電信送金と同レベルの速さで処理されるものの、追加料金は発生しないと説明されています。さらにKlipユーザーの秘密鍵は「鍵管理サービス」と呼ばれるセキュリティ機能を用いて暗号化された形式で安全に保存されるため『Klipユーザーは事故やデータ侵害などで秘密鍵を紛失する心配がない』とされています。
「NFTの発行機能」も提供
この他にも「NFTを発行できる機能」なども提供されているため、大企業から小規模のブロックチェーンスタートアップ、さらには個人までもがNFTを発行して、様々な方法でNFTを活用することができると説明されています。
今後数ヶ月で「より多くの機能」を追加
Klaytn(クレイトン)は今後数ヶ月でより多くの機能を「Klip」に追加すると説明しています。具体的には、2020年後半にはKlipがKlaytn基盤のブロックチェーンアプリに直接接続され、その後は「Klipのネイティブモバイルアプリ」をリリースし、世界中のユーザーにウォレットサービスを提供するとのことです。
現時点で「Klip」を利用できるのは”韓国ユーザーのみ”となっていますが、Klaytnの開発を担っているKakao傘下のブロックチェーン企業「Ground X(グラウンド・エックス)」は韓国と日本に拠点を構えているため、今後のサービス拡大にも注目です。