BINANCE CEO「保有するFTXトークン(FTT)を全て売却する」と発表

by BITTIMES

大手暗号資産取引所「BINANCE(バイナンス)」のCEOであるChangpeng Zhao(チャンポン・ジャオ)氏は2022年11月7日に、同社が保有する全てのFTXトークン(FTX Token/FTT)を売却することを決定したことを明らかにしました。

こちらから読む:GMOコイン、年率40%のETH貸出募集「暗号資産」関連ニュース

バイナンスCEO「保有するFTTを全て売却する」と発表

BINANCE(バイナンス)のCEOであるChangpeng Zhao(チャンポン・ジャオ)氏は2022年11月7日のツイートで、同社が保有する全てのFTXトークン(FTX Token/FTT)を売却することを決定したことを明らかにしました。

バイナンスは2021年にFTXの株式から撤退した際に「約21億ドル(約3,090億円)相当のBUSDとFTT」を受け取っていたとのことですが、今回の発表では『最近明らかになった事実に基づいて、帳簿上に残っているFTTを清算することを決定した』と報告されています。

なお、今回のツイートでは「市場への影響を最小限にとどめるために数ヶ月間をかけてFTTを売却していく」ということも説明されており、売却理由については「FTXが競合他社である事が理由ではない」と説明、FTXの親会社にあたる「Alameda Research(アラメダ・リサーチ)」のバランスシートの状況が要因としてあることを示唆しています。

昨年BINANCEがFTX株式から撤退した際に、BINANCEはおよそ21億ドル相当の現金(BUSDとFTT)を受け取りました。最近明らかになった事実により、私たちは帳簿上に残っているFTTを清算することを決定しました。

市場への影響を最小限に抑える方法で行うように努めます。市場の状況や流動性が限られているため、売却完了までに数ヶ月はかかると思われます。

BINANCEは常に業界関係者間のコラボレーションを奨励しています。これが競合他社に対する動きであるかどうかという憶測については、そうではありません。私たちの業界はまだ発展途上であり、プロジェクトが公に失敗するたびに、全てのユーザーと全てのプラットフォームに損害を与えます。

私たちは通常、トークンを長期的に保有しています。そしては私たちはこのトークンをこれだけ長く持ち続けています。和たちは自分たちの行動の透明性を保っています。

「最近明らかになった事実」とは?

今回のツイートで理由として挙げられている「最近明らかになった事実」は、今月2日にCoinDeskが報じた「Alameda Researchのバランスシートの現状」のことを指しているものと見られています。

FTXのCEOであるSam Bankman-Fried(サム・バンクマン=フリード)氏は「FTX」と「Alameda Research」の両方を所有していますが、CoinDeskが入手したAlameda Researchの非公開財務書類には『Alameda Researchは2022年6月30日時点で約146億ドル(約2.1兆円)の資産を保有していたものの、その多くはFTXによって発行されたFTXトークンであった』ということが記されていたと報告されています。

Alameda Researchの資産の中でも最大の資産は「36億6,000万ドルのロック解除されたFTT」であったとのことで、3番目に大きな割合を占める資産は「FTT担保の21億6,000万ドル」となっていた他、80億ドルの負債の中には「2億9,200万ドルのロックされたFTT」が含まれ、バランスシート上のその他の重要な資産には「2億9,200万ドルのロック解除されたSOL」「8億6,300万ドルのロックされたSOL」「SOL担保の4,100万ドル」など、Solanaブロックチェーンのネイティブトークンが多数含まれていたと報じられています。

仮想通貨企業が関連会社のトークンを保有していることは不思議なことではないものの、アラメダ・リサーチの場合は「保有資産の多くが流動性の低い関連会社トークンである(FTTは大半がFTXとAlamedaなどグループ間で取引されているとの報告あり)」という状態になっているため、業界関係者からは財務上のリスクが指摘されており、『バランスシートの構成に深刻な問題がある』といった指摘や『FTXとAlameda Researchの資金源・資金用途は不透明だ』といった意見も出ています。

Alameda側は反論「22ドルで買い取る」ともコメント

なお、Alameda ResearchのCEOであるCaroline Elliso(キャロライン・エリソン)氏は2022年11月6日のツイートで『リークされた資産はバランスシートの一部である』と説明しており、『実際には数十億ドル相当の資産が他にある』『リークされたバランスシートにはAlameda最大のロングポジションが含まれていない』『Alamedaはヘッジ資産も有している』『過去に融資を受けた分のほとんどは返却している』とも説明しています。

また、Caroline Elliso氏は「BINANCEのFTT売却」についてもコメントしており、今回のツイートを行ったChangpeng Zhao氏に対して『もしあなたがFTT売却による市場への影響を最小限に抑えたいのであれば、Alamedaは喜んで本日22ドルで全てのFTTを買い取ります』とコメント、実際にFTT価格は記事執筆時点で22ドル付近のサポートラインをキープし続けています。

2022年10月31日〜2022年11月7日 FTT/USTの1時間足チャート(画像:TradingView)2022年10月31日〜2022年11月7日 FTT/USTの1時間足チャート(画像:TradingView)

CZは「陰でロビー活動するような人は応援しない」とも発言

Changpeng Zhao(CZ)氏は7日のツイートで『FTTの清算はLUNAの一件で学んだ撤退後のリスクマネジメントに過ぎない』と説明した上で『私たちは誰に対しても反対派しないが、陰で他の業界関係者を妨げるようなロビー活動を行うような人は応援しない』ともコメントしています。

FTTの清算はLUNAの一件で学んだ撤退後のリスクマネジメントに過ぎません。私たちは以前までは支援していましたが、離れた後は愛し合うふりをするつもりはありません。私たちは誰に対しても反対派しませんが、陰で他の業界関係者に対するロビー活動を行うような人は応援しません。

FTX USが先月20日に公開した暗号資産資産規制草案『考えられるデジタル資産業界標準』には業界から批判の声が集まっていたため、今回の決別はこのような草案なども影響している可能性があると見られています。

また、BINANCEはここ最近で日本を含めた様々な国で本格的に事業展開するための取り組みを進めているため、一部では「そのような取り組みを妨げるようなロビー活動が行われていたこと」などを指摘する声なども出ています。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連のある仮想通貨ニュース

Solana関連ウォレットの資産流出、原因は「Slope」の可能性

Solana関連ウォレットの資産流出、原因は「Slope」の可能性

CoinBest(コインベスト)取引手数料無料の「DAI大口取引サービス」提供開始

CoinBest(コインベスト)取引手数料無料の「DAI大口取引サービス」提供開始

オーストリア最大の通信事業者「A1」仮想通貨決済を本格展開|2,500店舗で導入へ

オーストリア最大の通信事業者「A1」仮想通貨決済を本格展開|2,500店舗で導入へ

DM2C Studio:初のWeb3プロジェクト「Seamoon Protocol」開始|独自チェーン&トークンも展開

DM2C Studio:初のWeb3プロジェクト「Seamoon Protocol」開始|独自チェーン&トークンも展開

Flare Network「66,000,000 FLR」をバーン|本日11日はFlareDropの報酬付与日

Flare Network「66,000,000 FLR」をバーン|本日11日はFlareDropの報酬付与日

仮想通貨に関する内容も「2024年度の税制改正大綱」を閣議決定

仮想通貨に関する内容も「2024年度の税制改正大綱」を閣議決定

注目度の高い仮想通貨ニュース

ビットコインレイヤー2プロジェクトBEVM、1000万ドル融資を達成!完全分散化、EVM交換性を備えたソリューションの実態に迫る

ビットコインレイヤー2プロジェクトBEVM、1000万ドル融資を達成!完全分散化、EVM交換性を備えたソリューションの実態に迫る

カルダノ分散委任ツールのAtrium「特別な報酬」を用意|報酬付きテストの延長発表も

カルダノ分散委任ツールのAtrium「特別な報酬」を用意|報酬付きテストの延長発表も

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

BNB Chain「最大報酬100万ドルのミームコインイベント」開催へ

BNB Chain「最大報酬100万ドルのミームコインイベント」開催へ

米国の国家予算を「ブロックチェーン」で公開する方針:米大統領候補ケネディJr氏

米国の国家予算を「ブロックチェーン」で公開する方針:米大統領候補ケネディJr氏

自動損益計算のクリプタクト「Astar zkEVM」に対応|確定申告をサポート

自動損益計算のクリプタクト「Astar zkEVM」に対応|確定申告をサポート

ワールドコイン:最長6ヶ月間にわたる「WLDトークン販売計画」を発表

ワールドコイン:最長6ヶ月間にわたる「WLDトークン販売計画」を発表

ビットボットとCrypto.ComのCRO:2024年の成長に注目が集まる銘柄?

ビットボットとCrypto.ComのCRO:2024年の成長に注目が集まる銘柄?

エドワード・スノーデン氏「ビットコイン急落」を一蹴|BTCはすでに底打ち状態?

エドワード・スノーデン氏「ビットコイン急落」を一蹴|BTCはすでに底打ち状態?

ユニスワップ「インターフェース手数料」を引き上げ|米SECの訴訟問題が関係か?

ユニスワップ「インターフェース手数料」を引き上げ|米SECの訴訟問題が関係か?

シバイヌ新L3のユーティリティ&ガバナンストークン「TREAT」の獲得方法|LUCIE氏が説明

シバイヌ新L3のユーティリティ&ガバナンストークン「TREAT」の獲得方法|LUCIE氏が説明

ゲーマーの仮想通貨を盗むマルウェアに要注意|チート利用者が標的に?

ゲーマーの仮想通貨を盗むマルウェアに要注意|チート利用者が標的に?

仮想通貨ニュース | 新着記事一覧

仮想通貨まとめ一覧

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

人気のタグから探す